アストラゼネカは、乳幼児喘息治療における日本初の吸入ステロイド剤気管支喘息治療薬「パルミコート吸入液0・25mg、同0・5mg」(一般名:ブデソニド)を発売した。
パルミコート吸入液は1回使用量がアンプルに充填された吸入用懸濁液。生後6カ月以上5歳未満の乳幼児患者を対象とし、電動式ネブライザーで吸入できる唯一のステロイド薬。優れた抗炎症作用により喘息コントロールが可能で、発作の頻度を速やかに低減し、発作による夜間の睡眠障害を軽減させる。
ネブライザーでの投与のため、自然に呼吸することで薬剤の吸入が可能で、吸気力の小さな乳幼児にとって特に有用。国内では、ブデソニドの乾燥粉末吸入剤「パルミコートタービュヘイラー」を成人の気管支喘息治療薬として2002年1月に販売を開始。パルミコート吸入液は1990年にフィンランドで最初に承認後、06年3月現在、世界75カ国で承認されている。
国内の小児気管支喘息入院患者数は5歳以上は漸減傾向にあるが、5歳未満の乳幼児(推定55万人)にはその傾向は見られない。小児気管支喘息治療管理ガイドラインでも、乳幼児に対し、世界のスタンダードの吸入ステロイド剤が推奨されているが、国内ではこれまでネブライザー吸入が可能な吸入ステロイド薬はなく、日本小児アレルギー学会からも吸入ステロイド薬剤を中心とした抗炎症療法の早急な充実が望まれていた。