気晴らしが不安改善か

大阪大学大学院薬学研究科の仁木一順助教らの研究グループは、仮想現実(VR)技術に抗癌剤の副作用である遅発性悪心を抑制できる可能性があることを見出した。阪大病院で実施した臨床研究で、入院する卵巣癌や子宮体癌等の患者に、抗癌剤投与初日からVRゴーグルで観光地などの映像を7日間連続で視聴してもらい、副作用症状の発現を通常治療群と比較した結果、抑制傾向を認めた。副作用抑制にVRを活用する研究は独創的で、今後の発展に注目が集まる。
仁木氏らは、阪大病院産科婦人科と共同研究を実施した。パクリタキセルとカルボプラチンを併用するTC療法を初めて実施する癌患者約60人を、通常治療群と、VRゴーグルによる映像視聴を追加する群にランダムに分類。通常1コース3週間実施するTC療法のうち入院治療が原則の1週目を対象に介入し、副作用発現などを比較した。
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