テルモは17日、イスラエルのMedHub-AI(メドハブエーアイ)製のプログラム医療機器「AutocathFFRTM(オートキャスFFR)」の日本国内における販売契約を締結したと発表した。これによりテルモは、販売元として今年10月から同製品の取り扱い開始を予定している。
FFR(Fractional Flow Reserve:冠血流予備量比)は心臓カテーテル検査の一つで、心臓に栄養を送る冠動脈の狭窄部において血流がどれほど低下しているかを評価するもの。一般的な手法では、血管を拡張する薬剤を投与し、圧力センサーの付いたガイドワイヤーを血管内に挿入して血管内圧の変化を計測する。一方、同製品は冠動脈造影のX線画像からFFR値を算出するため、血管内へのセンサー挿入が不要で、患者にとってより低侵襲的な代替手法となっている。
同製品は、冠動脈疾患が疑われる患者に対し、冠動脈造影の複数のX線画像をAIで解析することでFFR値を算出するプログラム医療機器。冠動脈造影画像を別のアルゴリズムで解析する従来の手法と比べ、より短時間での診断を目指しており、従来の手法の約6分ノ1となる37秒で画像の解析を行うことができる。手作業による準備工程は不要で、解析工程が全自動で行われるため、利用者によって結果が左右されない再現性の高い評価結果を提供します。
また、同製品は診断の効率性を高めると共に、今後もソフトウェアのバージョンアップによって機能の追加や仕様変更などが更新されることで、利用者を継続的にサポートしていく。
同社は、今回の契約締結によって、心臓血管領域の製品ラインアップを拡充し、医療従事者に幅広い選択肢を提供すると共に、患者のQOL向上に貢献していく。
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