統合型クラウド会計ソフトなどを手がけるフリー(Freee)と済生会熊本病院はこのほど、医療業界におけるバックオフィスのDX推進に向けて業務提携を行った。フリーは今後、熊本病院事務部門と連携し、同社が提供する統合型クラウドERPの医療機関向け開発のフィードバックおよび医療機関におけるフリー・プロダクトの導入に関するサポート、経営企画に関わる病院のバックオフィス支援サービスの開発を行っていく。
熊本病院は、熊本県内・九州地方の医療機関において、ICT導入や働き方改革・地域医療連携などで先進的な取り組みを行い、全国でもトップクラスの実績を持つモデル病院として評価されている。
現在、医療業界において生産人口減少や働き方改革に伴う人手不足、物価高に伴う厳しい経営環境などが課題となっている。さらに、医療提供を支えるバックオフィス業務に携わる事務職員の確保も深刻になりつつあり、対策が急務となっている。
フリーは、2024年から医療福祉業界を専門としたチームを立ち上げ、医療業界における課題とニーズを調査し、課題解決に向けて新たなプランの提供やフリー・プロダクトの機能開発などを進めている。
このような背景から、フリーは熊本病院と業務提携を行い、医療業界の経理・人事を中心とした経営企画部門などのバックオフィスにおける課題を解決し、業界全体のデジタル化と業務効率化を行うことで、患者と向き合う時間・職員の満足度が高まる環境を創出し、医療業界の本来あるべき姿を目指していく。
今後、両者の取り組みとして、AIを搭載した医療機関向けのプロダクト開発を予定している。
熊本病院の中尾浩一院長は、「今、医療の質を持続的に高めていくための変革が必要です。今回のフリーとの提携は、テクノロジーの力で医療現場を支える業務基盤を強化し、スタッフが専門性を最大限に発揮できる環境を整える、未来に向けた重要な一歩です。全国の医療機関が抱える課題を解決する新たなモデルを提示できると確信しています」とコメントしている。
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