PHCバイオメディカ事業部(PHCbi)は2日、製薬企業および研究施設・医療機関に向けて、生体試料や医薬品の品質劣化リスク低減と省エネルギー性能との両立を追求した-85℃ノンフロンデュアル冷却超低温フリーザー「TwinGuard ECO(ツインガードエコ)」を開発したと発表した。
細胞遺伝子治療やワクチンなどの品質維持には、より厳格な温度管理の下、機器の故障による保存物の品質劣化や損失リスクを抑制し、安定した温度環境の長期的な持続を可能とする、より信頼性の高い保存機器が求められていいる。
今回開発された「TwinGuard ECO」は、同社が長年培ってきた精緻な温度制御技術の活用により冷却性能が向上した二つの独立冷凍回路の搭載した「デュアル冷却システム」を採用し、万が一、片側の冷凍回路にトラブルが発生した場合、もう一方の冷凍回路で庫内温度の上昇を防ぐことができる。
この機能を搭載した従来機種では、片側の冷凍回路による庫内の冷却温度は-70℃だったが、「TwinGuard ECO」では、-75℃まで冷却性能が向上している。
さらに、別売品のIoT管理ソリューション「LabSVIFT」と接続することで、機器の稼働データをリアルタイムにクラウドに連携することが可能となるため、パソコンやモバイル端末を介して、離れた場所でもリアルタイムに機器のパフォーマンスを確認できる。
これらの機能により、長期保存中の貴重な試料や医薬品の品質低下や損失リスクのさらなる低減が実現している。
また、エネルギー効率が高い自然冷媒の採用と、低速での運転制御によって電力消費を抑制できるインバーター制御コンプレッサーの搭載により、1日当たりの消費電力量を7.3kWに抑え、年間消費電力量を従来機種との比較で約45%削減するなど、省エネ性能が大幅に向上している。
さらに、カラー液晶タッチパネルは、従来の7インチから10.1インチへ拡大し、解像度もアップしている。また、全面ガラスタイプの液晶保護カバーを採用し、フルフラット化することで、視認性・操作性・清掃性が向上している。加えて、庫内の異常を知らせるアラーム発生時の対処方法は、画面に表示される二次元バーコードを読み取るだけで簡単に対処内容を確認することができるなど、利便性の向上を通じて研究現場の作業負担の軽減を図っている。
同製品は9~11日に東京有明の東京ビッグサイトで開催される「第7回再生医療EXPO東京2025」に参考出展し、8月に国内販売の開始を予定している。