サノフィは6月30日、日本初の腸チフス予防ワクチンとなる「タイフィムブイアイ注シリンジ」(一般名:精製Vi多糖体腸チフスワクチン)を新発売した。

用法・用量は、1回、0.5mLを注射する。通常、筋肉内に接種するが、皮下にも接種することができる。
腸チフスは、チフス菌によって引き起こされる急性熱性疾患で、通常は細菌に汚染された飲食物を介して感染し、発熱、頭痛、倦怠感、下痢などの症状が現れる。重大な合併症として腸管出血や腸管穿孔がある。
日本では年間20~30例の腸チフス症例が報告され、7~9割は輸入されたケース。治療には主に抗菌薬が用いられるが、近年では多剤耐性菌の増加により、治療が複雑化しているという。
同ワクチンは、2010年に日本渡航医学会、日本感染症学会、日本小児感染症学会から厚生労働省に対して開発要望書が提出され、同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の検討を経て、同省から開発要請されていた。