◆「よければ製品見学に来られませんか」。先月、縁あって東京文京区に本社を置く製薬企業を訪れた。同社は戦前、わが国の産業の発展のため「国民科学研究所」の必要性を提唱した渋沢栄一らの尽力で設立された財団法人理化学研究所を源流とする
◆同法人から継承された同社の敷地は緑豊かで閑静な時の流れる場所だ。だが、太平洋戦争末期、この地は空襲で多くを焼失した歴史を持つ。戦後GHQの方針で同法人は解散し、株式会社科学研究所が設立された。その生産部門を継承したのが見学に訪れた科研製薬だ
◆見学では外用の爪白癬治療剤「クレナフィン」などの製品を手に取り、対面の会話と五感で剤形を理解した。現地取材ならではの浸透度の高さを感じた。同剤の薬液塗付用のはけは、ぺんてるとの共同開発品と聞いた
◆帰り道、ぺんてるの看板のかかる文具店を見かけて立ち寄ると、高齢の店主が喜んで雑談してくれた。最近はネット購入に人が流れ、無季言子は貴重な客だという。帰りがけ、「また来てね」の言葉が心に残った。
科研製薬の源流探訪
2025年08月06日 (水)
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