ニプロは8日、韓国の検査機器製造販売会社である Precision Biosensor Inc.(PB社)製のヒト用臨床化学分析装置「アトライズ」および専用試薬「アトパネル」の医療機器製造販売届出を4日に、医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ行ったと発表した。
「アトライズ」は、少量の血液(全血70μL等)で、迅速かつ一度に最大9項目を高精度に測定することが可能な小型のパック式臨床化学分析装置。PB社が設計・製造を、ニプロが日本国内での販売を担当し、今秋頃の上市を予定している。
小型のヒト用臨床化学分析装置市場(POCT市場)は、高齢化や在宅医療の拡大に伴い、さらなる成長が見込まれている。そこで、同社がこれまで展開してきた体外診断用医薬品や採血関連商品などとのシナジーにより、検査現場での効率化と診断精度向上に貢献することを目指し、昨年12月にPB社と同製品の長期供給契約を締結した。
また、コンパニオンアニマル市場の世界的な拡大で、動物用診断の需要も増加しており、日本は北米、欧州、中国に次ぐ世界の動物用診断市場における主要国の一つと位置付けられている。このような状況を踏まえ、同社は欧米でもその技術力の高さを評価されているPB社と、「アトライズ」シリーズの動物用臨床化学分析装置に関する供給契約を、6月23日締結した。この提携を通じ、国内の動物用臨床化学分析装置市場への新規参入を図っていく。
同社は今後も、PB社との戦略的パートナーシップを一層強化し、ヒト用・動物用の両市場でユーザーニーズに応え、さらなる事業活動の拡充を図っていく。
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