富士フイルムは18日、操作性を向上させた動物用免疫反応測定装置「富士ドライケム AU20V」(AU20V)を、富士フイルムメディカルおよび富士フイルムVETシステムズを通じ発売した。同製品は、2013年に発売された「富士ドライケム IMMUNO AU10V」(AU10V)の後継機で、動物病院施設内での簡単・迅速な免疫検査が可能な小型定量免疫反応測定装置というコンセプトはそのままに、ワンストップで完了する自動希釈機能やカラータッチパネルによる直感的な操作が実現している。
「AU20V」は、「AU10V」の小型・高感度で迅速な免疫検査が可能という特長はそのままに、カラータッチパネルによる直感的な操作や、希釈操作を完全自動化することにより、よりユーザビリティを向上させたモデルとなっている。
「AU10V」では検体を希釈する場合、希釈液と検体を別々にセットする必要があったが、「AU20V」では希釈液と検体を同時にセットすることが可能となった。開始ボタンをタッチするだけで、検体セットから測定完了まで完結するため、シンプルな操作が可能です。
また、動物用臨床化学分析装置「富士ドライケムNX700V」などとのセット利用を考え、インターフェースやユーザビリティを統一。さらに、測定中には測定完了までの残り時間を大きく表示し、装置の近くに行かなくとも測定完了までの時間を確認できることで、診療効率の向上につながる。
「AU20V」は、SPF法を利用した技術により、動物病院内でT4、TSH、コルチゾール、TBA、プロゲステロン、SAAの6項目を約10分で測定することができる。抗原抗体反応を用いた免疫反応では、検体中のより微量な分子マーカーを測定することができるが、目的とする標的物質以外の影響を抑制することが重要となる。
「AU20V」では、蛍光粒子で標識された抗体と試薬下層の金膜上に固定された抗体が標的物質を捕捉することでサンドウィッチ構造を形成。その後、金膜の下層からレーザー光を照射し、捕捉された蛍光粒子のみを発光させることで、洗浄工程(B/F分離)を必要とせず高感度に標的物質を検出することができる。
このSPF法の技術により、免疫反応測定の小型・短時間化を実現した。これにより、院内で測定しその場で結果を確認、すぐに飼い主への説明が可能になり飼い主の満足度向上に貢献する。