堀場製作所は27日、糖尿病や感染症のスクリーニングに用いられるヘモグロビンA1cやCRP、高感度CRPなどの項目を微量の血液で院内にて即時検査できる、遠心方式血液分析装置「Yumizen Banalyst M120」を発売したと発表した。

同製品は、内部機構やシーケンスの見直しによって、ヘモグロビンA1c、CRP、高感度CRP、シスタチンCの全項目で測定時間を短縮している。特に、ヘモグロビンA1cでは約2分30秒(約33%)、CRPでは約1分20秒(約17%)短縮。検査の回転率向上を通じて、医療現場の業務効率化が図れる。
また、μTAS(マイクロタス)技術を応用することで、微量の血液でも高精度な測定が可能となっている。中でもヘモグロビンA1cは、糖尿病患者におけるモニタリングの指標としても使用されることから、測定結果に高い安定性と精度が求められている。同製品は、これらの要件に応える測定性能を備えており、診療現場での信頼性の高い診断を支援すると共に、治療方針を検討する上で有効な判断材料として活用できる。
また、測定終了後から次の検査までに要していた装置の待機時間をなくし、連続測定に対応することで従来比最大約40%の時間短縮を実現している。さらに、同社従来製品で必要だった測定手順の簡略化や、装置の起動・終了をタイマーで自動実行できるなど、ユーザーの操作性や業務の利便性を高める機能を新たに搭載している。
同社の電子カルテ連携ソフト「GATELINK」(オプション)と連携することで、測定結果を電子カルテに自動で送信できる。
さらに、今後同社の医用機器を対象とした総合保守サービス支援システム「HORIBA MEDISIDE LINKAGE next」(オプション)との連携にも対応する予定で、同製品から取得した測定データの月次集計を行い、医療法改正で提出が義務付けられる測定標準作業書などの帳票を自動で作成可能となる。帳票作成業務を自動化することで、データ管理の負担や入力ミスによるリスク軽減を図ることができる。