【PHCbi】加湿制御機能搭載のCO2インキュベーター開発‐11月に国内販売開始を予定

2025年08月28日 (木)

 PHCバイオメディカ事業部(PHCbi)は27日、製薬企業や研究施設・医療機関向けに、独自の加湿制御機能を搭載し、実験の再現性を高め、安定した細胞培養環境の実現を目指したCO2インキュベーター「MCO-233AICUVHX-PJ」を開発したと発表した。11月に国内での販売開始を予定している。

MCO-233AICUVHX-PJ

 細胞遺伝子治療をはじめとする、細胞医薬品の研究開発が進展する中で、細胞の品質と安全性を確保するために、より高精度な細胞培養技術が求められている。そのため、細胞培養に使用されるCO2インキュベーターには、培地の乾燥や汚染リスクを抑えつつ、細胞にとって最適な培養環境を安定的に提供できる性能が求められている。

 今回開発された装置は、95%±5%の安定した高湿度環境を実現する従来の加湿水の自然蒸発方式による加湿機能に加え、独自の加熱蒸発方式を採用した加湿制御機能「アクティブ加湿システム」を新たに搭載したCO2インキュベーターとなっている。

 「アクティブ加湿システム」は、器内湿度を80~90%に制御可能な加湿制御機能。培養中の扉の開閉による湿度低下を迅速に検出して加湿を行うことで、従来の加湿機能との併用により、湿度の回復速度を従来機種の約2倍に向上している。これにより、培養環境の変動を抑え、特に低容量マイクロプレートを使用した培養で課題となる、プレート辺縁部の培地の乾燥リスクを低減する効果が期待できる。

 また、同システムによる加湿制御により、器内に熱源となる分析機器などを設置した際の結露の発生リスクが抑制できる。さらに、抗菌効果の高い銅合金ステンレス製の内装や、UV-LEDによる加湿水の殺菌、培養後の過酸化水素による器内除染など、複数の機能を組み合わせることで、器内の汚染リスクを多面的に低減している。

 湿度センサーにより、培養時の湿度表示やログデータが取得可能となり、実験の再現に欠かせないトレーサビリティを強化している。さらに、同社が提供するIoTラボ管理ソリューション「LabSVIFT」と接続することで、機器の稼働データをクラウドに連携することができる。これにより、パソコンやモバイル端末を介して、遠隔地からリアルタイムで機器のパフォーマンスを一元管理することが可能となっている。

 同装置は9月3~5日、千葉市の幕張メッセで開催される「JASIS2025分析機器・科学機器総合展」(JASIS 2025|最先端科学・分析システム&ソリューション展)に参考出展する。



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