【パナソニック空質空調社】気体状次亜塩素酸、付着した百日咳を99%以上抑制

2025年11月05日 (水)

 パナソニック空質空調社は10月31日、次亜塩素酸水溶液から揮発した有効塩素成分である気体状次亜塩素酸が、約25m3(約6畳)の空間で、付着した百日咳菌に対して、4時間で99%以上の抑制効果が得られることを確認したと発表した。

 次亜塩素酸水溶液は、食塩水を電気分解することで生成され、除菌、脱臭に高い効果がある。同社は1987年に、カップ式自動販売機の衛生保持システムとして次亜塩素酸水溶液を採用して以来、約40年にわたり次亜塩素酸技術を研究してきている。

 今回の検証は、揮発した「気体状次亜塩素酸」が自己分解しにくく、遠くまで拡散する特長を持つことから、基礎的な研究であっても、空気清浄機などの性能評価に用いられる「日本電機工業会規格(JEM1467)」に準じた約25m3の空間で実施した。試験機関は北里環境科学センター。

 曝露に当たっては、シャーレに百日咳菌が入った液を所定量(2μL×5カ所:計10μL)滴下し、安全キャビネット内で約60分間乾燥させたものを百日咳菌を付着させた試料として、検証装置から1.5m離れたところに設置(高さ:床上から1.2m)した。非暴露では、百日咳菌を付着させた試料を約25m3試験室内に設置した。

 百日咳菌の測定では、所定時間作用ごとにシャーレを回収し、シャーレの洗い出し液を試料原液として、滅菌生理食塩液で10段階希釈を作製した。その試料原液または希釈液の各0.1mLを羊血液寒天培地に塗布した。これらの培地を37±2℃で7日間培養し、培養後、発育した集落を数え、シャーレ1枚当たりの付着菌数を求めた。その結果、百日咳菌に対し、4時間で99%以上の抑制効果を確認した。

 今年は、百日咳、新型コロナウイルス感染症、リンゴ病(伝染性紅斑)、はしか(麻しん)が同時に流行し、「クワトロ感染症」という言葉が生み出されるほどに社会的注目を集めた。今回、百日咳菌への効果を確認できたことで、クワトロ感染症の原因となる全4種の菌・ウイルスが付着した状態に対して、気体状次亜塩素酸の抑制効果を期待できる。


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