
岡田社長
オムロンヘルスケアは、循環器事業における心電事業のグローバル戦略を打ち出している。同社の循環器事業ビジョンである「Going for ZERO(脳・心血管疾患の発症ゼロ)」の実現には、世界の死因第1位であり、「心不全パンデミック」として患者数の拡大が懸念される心疾患への介入が不可欠とし、海外ではインドの心電事業強化に向けAIヘルステック企業TRICOG HEALTH INDIA PRIVATE LIMITED社(トライコグ)への追加投資、日本国内市場では「Heartnote」事業承継によって医療領域への事業拡大を通じ、循環器事業を次なるステージへ進化させていく。
心疾患は世界の死因第1位で、年間約910万人が死亡している。さらに、世界的な高齢化に伴い心不全患者が急増する「心不全パンデミック」が医療課題となっている。
心電事業でグロバル戦略を展開
この課題解決のために同社は、心疾患の早期発見と重症化予防を強化していく。具体的には、これまでの家庭での心電図記録の普及に加え、医療機関での検査・診断領域へと事業を拡大していく。
そのグローバル戦略の一環として、インドでAI心電図解析サービスを提供するトライコグへの追加投資を通じ、医療現場での心電図検査の領域に参入していく。また、日本では、JSRから長時間ホルター心電図検査サービス「Heartnote」を事業承継し、日本の医療現場での心電図検査事業を強化する。
同社は、これらの心電事業のグローバル戦略を確実に実行することで、心疾患の早期発見と的確な医療介入をサポートし、心疾患の発症と重症化を未然に防いでいく。これによって、「Going for ZERO」の実現を加速させていく。
同社はこれまで、「Going for ZERO」のビジョンのもと、家庭用血圧計の普及に取り組み、その世界累計販売は4億台を突破している。血圧測定と一緒に心電図を記録できる心電計付き上腕式血圧計、動悸などの症状が現れた時すぐに心電図を記録できるコンパクトサイズの携帯型心電計、血圧測定時に心房細動リスクを検出する次世代アルゴリズムIntellisense AFibを搭載した血圧計など、家庭での心房細動の早期発見に取り組んできている。
今回のグローバル戦略について同社の岡田歩社長は、「『心不全パンデミック』や『循環器専門医の不足』といった深刻な医療課題を解決するためには新たなアプローチが不可欠となっている。革新的な技術(Innovation)と戦略的パートナーシップ(Partnership)を融合させ、循環器事業を次のステージへと進化させ、脳・心血管疾患の発症ゼロの実現を目指していく」と述べている。
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