キリンホールディングスと日立製作所は今月から、キリンの大規模な消費者嗜好データ・成分データと、日立のマルチモーダルAI技術、行動科学・デザイン思考を組み合わせ、消費者の飲料選択の理由や飲酒行動に影響する要因を解明する共同研究を開始した。商品開発の意思決定を高度化し、健康や安全に配慮した飲酒行動について理解を深めることで、消費者のより良い選択や社会全体の健康増進に貢献するなど、社会的価値創出につながる知見の獲得を目指していく。
共同研究は、キリンの嗜好調査結果と成分分析値を一元管理しAIや統計で解析し中味開発の精度と速度を上げる社内基盤「嗜好プラットフォーム(嗜好PF)」を活用した取り組みの一つとして実施される。
二つの研究テーマがあり、その一つの「継続的に選ばれる商品開発に向けた飲料選択の要因解析に関する研究」では、飲料の特徴や消費者の評価など、複数の異なる情報をAIで統合して扱う手法の検証を進め、飲料選択に影響する要因を整理・可視化するためのアプローチの確立を目指す。これにより、商品開発の初期段階から、継続的に選ばれやすい味やコンセプトの方向性を科学的に検証でき、設計にフィードバックすることが期待される。
もう一つの「健康や安全に配慮した飲酒行動の要因解析に関する研究」では、行動科学やデザイン思考を活用し、消費者の健康・安全に配慮した飲酒行動に影響する認知・感情・環境要因の整理・分析を行う。これにより、適正な飲用行動を促進する施策の検討や社会全体の健康増進に資する知見の獲得を目指していく。
両社は、今回の共同研究で得られた知見をもとに、商品開発の意思決定の高度化や、飲酒行動に関する理解の深化を図ると共に、消費者行動の科学的理解をさらに深め、AI・行動科学を応用した新たな価値創出や社会課題の解決に貢献することを目指す。また、研究で得られる知見や手法を今後の幅広い応用可能性を検討するための「協創の基盤」とし、社会課題の解決や学術的発信など新たな価値創出の方向性を柔軟に探っていく。
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