ナチュラルな処方でありながら機能性を兼ね備えた商品開発の進展が市場を後押し
矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の自然派・オーガニック化粧品市場を調査し、製品カテゴリー別や流通経路別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。それによると、2024年の自然派・オーガニック化粧品市場は、ブランドメーカー出荷金額ベースで前年度比103.1%の1835億円と推計した。
伸長の要因としては、SDGsやサステナブルといった環境保全を意識した行動やライフスタイルへの関心の高まりから、自然派・オーガニック化粧品への認知や理解が進んでいることを挙げている。また、自然由来のナチュラルな処方でありながら特定の肌の悩みに対応するために機能性を兼ね備えた商品開発が進んでいることも、市場拡大を後押ししたと分析した。
さらに、ブランドの理念や価値観への共感に基づく購入ケースが増加しているほか、消費者のライフスタイルに訴求するブランドコミュニケーションや、シンプルでファッション性のある洗練された容器デザインといった要素が需要を後押ししていることから、自然派・オーガニック化粧品市場の成長余地は依然として大きいと指摘した。
25年度の自然派・オーガニック化粧品市場は、前年度比102.5%の1880億円と予測。社会におけるSDGsやサステナブルへの関心の高まりは、市場への追い風となっているとする一方、参入ブランドの売上高は減少傾向にある企業も少なくないことから、市場環境は厳しさを増していることを挙げたまた、自然派・オーガニック化粧品市場におけるインバウンド(訪日外国人客)需要はそれほど大きくなく、国内需要への依存度が高い状況にあることも指摘している。
そうした中で、「参入各社は機能性の強化や、自然由来の処方という点だけでない訴求方法の検討、そして消費者に対するブランドコミュニケーションの強化を進めており、自然派・オーガニック化粧品市場には依然として成長の余地がある」との考えを提示。これらの企業施策が成果をあげれば、25年度も市場は成長を維持できる見通しを示した。
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