日本医療機器産業連合会(山本章雄会長)の「一般消費者向け医療機器等研究会」(主査:原浩之・日本ホームヘルス機器協会副会長、白寿生化学研究所社長)の報告書が今年3月にまとまる見込みだ。同研究会は、一般消費者が自ら購入して使用する医療機器の適正使用の方策などについて学ぶという勉強会で、昨年に今年度事業として立ち上げられた。会議の内容は非公開で、内々の勉強会ということもあり、どんな議論が為されているのかはあまり伝わってこなかったが、9日、東京・日比谷公園の松本楼で開催された日本ホームヘルス機器協会の令和8年新年賀詞交歓会のあいさつの中で、医機連の山本会長とホームヘルス機器協会の原副会長が、それぞれ同研究会の報告書の内容などについて言及した。それによると、報告書は(1)医療機器単独の適正広告基準の制定、(2)セルフメディケーションに寄与する医療機器開発の普及の必要性、(3)eコマース対応、(4)普及啓発策――の4つを骨子とする内容だという。以下にお二人の発言内容を掲載する。
山本章雄・日本医療機器産業連合会会長

ホームヘルス・原副会長
「昨年、一般消費者向け医療機器等研究会というのを立ち上げたというか立ち上げさせられました。これは今までになかった一般消費者向けということで、医機連加盟20団体のうちホームヘルス機器協会はじめ、補聴器やコンタクトレンズなど一般消費者向け製品を扱っている11団体の方々にお願いしました。そこで音頭を取っていただいた、座長をやっていただいたのが、ホームヘルス機器協会の原副会長です。
いろんな良い議論ができたようであり、それを報告書としてまとめていただいて、近日中に皆様方にお知らせできると思うので、ぜひお読みいただきたい。その骨子は4点あり、1つは医療機器単独の適正広告基準の制定、それからセルフメディケーションに寄与する医療機器開発の普及の必要性、eコマース対応、普及啓発策です。この4つを大きな項目としてまとめていただいています。医機連としては、この辺りを具現化していくことがミッションだと思っています。eコマース関係でいうと、海外の規制がどうなってるかを勉強する必要があると思うので、このあたりも皆様方と一緒になってやっていきたい。」
原浩之・日本ホームヘルス機器協会副会長

医機連・山本会長(医機連新年賀詞交歓会にて)
「昨年医機連の総会のときに山本会長から、原くんがやるんだぞみたいな話があって、たいへんプレッシャーを感じながらも、7月から月2回のペースで、下打ち合わせを含めると毎週、中井川専務理事はじめ医機連の方々と打ち合わせさせていただきました。ホームヘルスは、医療従事者を介在しない商品を取り扱っている、医機連の中でも特殊な領域であり、消費者のことを一番わかってるということで私が取りまとめ役をさせていただきました。途中から座長と言われるようになったんですけど主査です、勝手に昇格させないでくれとお願いしました。
ホームヘルス機器協会は医療機器の団体ではあるけれども、いわゆる雑品と言われている厚労省の認可外商品も扱っており、それが医機連の範疇外じゃないかという意見もあったので、会合の最初の段階から、雑品という言葉は良くないですよねと反復して言っていたところ、最後の方には非医療機器という言葉で呼ばれるようになり、雑品という消したい言葉が会合の中で消えていったことはとても嬉しかった。10団体の皆様方から非医療機器って何なんだっていうことを言われて、カテゴライズについては、欧州のCEマーク製品、あるいはアメリカFDAで医療機器として認められているけれども日本では雑品として扱われている製品領域をドメインにしたらどうかというお話もさせていただいた。これから研究会が終わって答申となり、今年3月に理事会で内容を認めていただけることになると思いますが、厚労省認可ではないけれど健康増進機器という、医療機器センター理事長の菊地眞先生に指導いただいたものもあり、そこのエリアが医療機器の関連として認めていただける第一歩になるのかなと感じているところです。
セルフメディケーションということではOTC医薬品というものがあります。診断行為と処方は医師しかできませんが、医療費の問題、あるいは薬剤師・薬局があるから医療用をダウンサイジングしよういうことでOTC医薬品があるわけですが、それに倣ってOTC医療機器という名前を出したら、一緒にするなと一部お叱りを受けて言葉を変えました。でも、B to Cがなかなか見えない。実際医機連の参加企業の方は本当に違いがわからないということがありました。おそらくそれは危険性の話です。MRI等々の放射線が出る医療機器、あるいはクラスIIIの侵襲するような医療機器については絶対医師の介在が必要だと思いますが、そこに至らないもの、安全性が担保されるものについてはダウンサイジングしていく、そうするとメーカーが広告戦略を打ちやすくなる、そういう流れは提言させていただいたことの一つです。
セルフメディケーション税制については、医薬品メーカーの方々が総出で動いて、医師会まで巻き込んで取れたものなので、とても我々の手の届くものではないと思いました。しかし、意識して目標を持たないと進むことはできないと思ったので、その辺についても少し入れさせていただきました。
SaMDで保険点数対応があるものがあるとか、保険対象以外で動いているものもあるとかがわかり、そうしたものについてはこの範疇にお誘いする必要があるのかなと感じました。非公式な話として、研究会のネクストステージが始まったときには、また私に参画しろという指示もありますので、そこは改めて考えていきたいと思っています。
日本には診断行為は医師しかできないという大きなルールがあって、そこの手前のところで薬機法と医師法に抵触しないという難しさがありながら、アップルウォッチとか家庭用血圧計とか自己診断ができるようなものもあるんですが、最初はお医者さんに言わなきゃいけないということもあるという、そういう知識についても今回の研究会で改めて勉強させていただきました。有識者の会合の中で医療機器センターの菊地先生から、保険医療があって、その後ろに介護がある、そこの前のセルフメディケーションの領域にドメインを作るべきだという話があり、それが心に刺さりました。
日本人男性の健康寿命は72歳で、寿命が81歳平均、女性は健康寿命が74歳と少しで、寿命が87歳平均です。男性が最期9年、女性が最期13年誰かの介助なしには生きていけないということです。今回改めてわかったのは、健康寿命を失ってから初めてお医者さんの世話になるということです。それは、お医者さんをディスるわけじゃありませんが、保険医療のお世話になるのは健康を失ってからなので、健康寿命を延ばすのは保健医療の方々の範疇ではないということです。そしてお医者さんの今99.9%が保健医療のところに位置していることを考えると、0.1%のお医者さんに増えていただきたいということもあります。健康寿命を延ばすために我々にもいろいろやるべきことはあると思いますが、ホームヘルス機器協会の参加企業とそこに携わる皆様方の協力で成り立っていくのではないかということも、多々勉強させていただいた中で痛切に確信した部分でもあります。」
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