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米食品医薬品局(FDA)は2月12日、局所進行膵臓がんの成人患者を対象に、この種としては初の非侵襲性のウェアラブル医療機器「Optune Pax」を承認した。Optune Paxは、ゲムシタビンおよびナブパクリタキセルによる併用療法において使用される。
Optune Paxは、腹部に交流電場(腫瘍治療電場〔TTFields〕)を照射する携帯型の非侵襲性デバイス。この電場は、がん細胞に特徴的な急速な分裂過程を物理的に阻害し、健常組織へのダメージを最小限に抑える。治療は、電場発生装置に接続された電気絶縁性粘着パッチを患者の皮膚に貼付して行われる。電場発生装置の設定はメーカーが固定しており、変更することはできない。
米国立がん研究所が発表した情報によると、2025年には米国では膵臓がんの新規診断が約6万7,440件、同がんによる死亡が5万1,980件になると予測されている。膵臓がんは、新規がん症例全体のおよそ3.3%を占めるが、発見が遅れやすいこと、進行が速いこと、治療選択肢が限られていることなどから、がんによる死亡者数に占める割合が著しく高い。
Optune Paxは、FDAの医療機器審査プロセスの中で最も厳格な市販前承認(PMA)プロセスを経て承認された。この承認は、治験機器特例(IDE)に基づいて実施された第3相PANOVA-3試験の結果に基づいている。局所進行膵臓がんの成人患者571人を、標準治療であるゲムシタビンとナブパクリタキセル(GnP)単独群(286人)とGnP+Optune Pax併用群(285人)に1対1の割合でランダムに割り付け、最長5年間追跡した。主要評価項目は全生存期間中央値(mOS)とした。
その結果、GnP+Optune Pax併用群のmOSは16.2カ月(95%信頼区間〔CI〕15.0~18.0)だったのに対し、GnP単独群では14.2カ月(同12.8~15.4)と、GnP+Optune Pax併用群ではmOSが約2カ月有意に延長した(ハザード比0.82、95%CI 0.68~0.99、P=0.039)。本デバイスに関連する最も一般的な副作用は、局所性皮膚反応だった。
PANOVA-3試験の治験責任医師であるVincent Picozzi氏は、「第3相PANOVA-3試験では、Optune Paxによる治療により、既存治療によく見られる全身的な副作用を増加させることなく、全生存期間が統計的に有意に改善した。また、疼痛増悪までの期間が有意に延長し、膵臓がん患者の治療において最優先事項である全体的な生活の質(QOL)の維持にも役立っている」と、Novocure社のリリースで述べている。
なお、Optune Paxの承認はNovocure社に付与された。(HealthDay News 2026年2月17日)
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https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-first-its-kind-device-treat-pancreatic-cancer


















