
吉田逸郎社長
東和薬品の吉田逸郎社長は決算説明会で、「前期比で21%増と、当初の予想を超える変化が薬局を中心に起きている。特に100錠包装は生産品目によっては欠品を起こしそうな雰囲気」だと、4月の後発医薬品調剤体制加算見直し後の現状を説明。拡大するGE薬市場に対応できるよう、安定供給体制の構築をより一層進めていくことを明らかにした。
東和薬品の営業は「直販・代理店体制」が特色。昨年度から、都道府県別に安定供給を含めた強化エリアを洗い出し、営業体制が弱い地域や代理店との関係強化が見込めないエリア30カ所については、販売網強化として営業所等を設置していく計画を立てている。今期も10カ所設置する予定という。
ただ、新規取引先開拓後に安定供給体制を整備しているのが現状で、その構築には「時間を要している」(吉田社長)。そうした整備状況を踏まえて、今期は売上高で堅めの数字を計画している。
来年5月に発表する予定の次期中期経営計画(2011年4月~14年3月)策定に当たっては、売上高1000億円超の企業像を見据えた体制づくりが課題となっている。生産体制は、現在の岡山工場と大阪工場で増産すれば700億円規模に、山形新工場が完成すると現在の3倍の1200億円に対応可能な安定供給体制が確立できるという。それだけに、配送体制の拡充に加え、代理店との関係強化を図っていく方針だ。
一方、売上高1000億円達成時期については、「12年の数量ベースで30%を目標とする現在のインセンティブだけでは難しい。欧米並みにGE薬シェアが50~60%になった時期に超えられると考えている」と明言を避けた。その上で、現行薬価制度の変更なくして、GE薬の飛躍的な成長は難しいという見解を示した。