米シェリング・プラウ社は、ニューキノロン系合成抗菌剤「T”3811」(一般名:ガレノキサシン)のFDAへの承認申請を取り下げた。導出した富山化学が21日に発表したもので、同剤は富山が日米欧での大型化を期待していた製品。米シェリングは同剤の販売を他社に委託する方針だったが、承認審査の後半にさしかかった現段階でも委託先を見つけられていないことが取り下げの理由とみられるという。
富山によると、14日に取り下げの連絡を受けた。米シェリングは販売提携先探し、再申請する計画を持っているという。
富山は、今年中の米国承認を見込み、業績計画にあった承認一時金(非開示)は計上できなくなったものの、来期に予定しいた開発品(非開示)の導出を今期に前倒し、それに伴う契約一時金などで減収部分を補うとしている。
しかし、導出から2年たっても見つけられておらず、先行きは不透明ともいえ、両社はあらゆる可能性を含め検討することになりそうだ。
富山は同剤の大型化を期待している。米シェリングには、日本、韓国、中国を除くライセンスを供与し、8000万ドルの契約一時金を含め総額で3億2500万ドルの収益を計画していた。
なお、欧州では米シェリングが5月に申請、日本では同月に富山が申請している。