
東京大学大学院医学系研究科神経病理学分野の岩坪威教授は8日、都内で行われたシンポジウムで、近く国内承認見通しの早期アルツハイマー病薬レカネマブに触れ、治験における対照群に対する27%の進行抑制との結果に臨床的意義を疑問視する声があることに対し、「(患者は)良いレベルを長く保っていただくことで、いろいろなことが行える」と述べ、患者・家族にとって同剤の登場は意義があることを強調した。治療体制については「対応が追い付かず、(患者・家族を)失望させることがあってはならない」と述べ、早急な治療体制の構築を求めた。
岩坪氏は、レカネマブの治験結果について「どのぐらい意味があるのかという厳しい質問もある。これで決して十分だと誰も思っていない。しかし、初めての作用であり、元より良くなることはなくても、患者さん自身、家族、利用者全てが病気と長い間付き合っていかねばならない、共生しなければならない中で、その共生を少しでも良いレベルを長く保っていただくことで、いろいろなことが行える。自分の意思を十分に発揮できる。そういう状態を保つために、新しい治療法が役に立てられればと思うし、そういう共生を実現したい」と話した。
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