◆二つの不正が製薬業界に衝撃を与えた。SMOのメディファーマによる治験データ改ざんと、後発品最大手の沢井製薬による安定性試験での不正だ。両社共に、長年にわたり不適切な行為を行っていた
◆メディファーマのGCP違反は、治験に参加した健常人や患者を裏切る行為で断じて許されない。沢井は後発品業界のリーダーであり、今回の行為は後発品を服用する患者を失望させるものだ。1社の問題ではなく、業界全体の不信感を高める
◆有名なフランスの作家サン=テグジュペリ作「星の王子さま」で、「かんじんなことは、目に見えない」との一節がある。医薬品の品質も問題が起こった時に初めて分かる。見えにくいからこそ、品質を守るための人材教育を継続的に実施していく必要がある
◆品質を守る企業文化の先にイノベーションがあるのは言うまでもない。企業は誰のために仕事をしているのか。一番は「患者のため」だろう。不正をなくす原点は、経営陣・全従業員が患者への意識を持って仕事をすることではないか。
「患者のため」を原点に
2023年11月01日 (水)
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