日本プライマリ・ケア学会は、「プライマリ・ケア認定薬剤師」の認定制度を創設する。3月の学会理事会で認められた。30日に京都市で開く総会で正式に承認される見通しだ。地域医療を担う一員として、薬剤師の役割や能力を高めるのが狙い。毎年10月に学会が定期的に開く秋季実践セミナーが、認定に必要な単位取得のための実質的な研修のスタートになる。
認定を得るには、▽学会の研修や指定講座などを受講し4年間に50単位以上を取得▽レポートの作成▽試験の合格――などが必要。
将来、この認定制度は、薬剤師認定制度認証機構の特定領域認定制度の認証を得る計画だ。
日本プライマリ・ケア学会、日本家庭医療学会、日本総合診療医学会が現在検討を進めている3学会の合併が実現し、研修実績を積んだ上で、ステップアップを図る。特定領域認定制度の認証が得られれば、プライマリ・ケア認定薬剤師制度は、学会員に限定せず広く薬剤師に開かれた制度になるという。
認定制度の概要は、30、31日に京都市の国立京都国際会館で3学会が合同で開く、プライマリ・ケア関連学会連合学術会議のシンポジウム「プライマリ・ケア認定薬剤師制度―地域医療を支える薬剤師の役割・機能と認定制度」(31日午前9時半開始)で報告される。
シンポジウムでは、▽日本の薬剤師認定制度と認証機構について(特に特定領域認定制度について)=内山充氏(薬剤師認定制度認証機構代表理事)▽薬剤師の教育と職域の広がり(地域薬剤師活動の可能性)=定本清美氏(東邦大学薬学部教授)▽プライマリ・ケア薬剤師に期待するもの(医師の立場から)=石橋幸滋氏(日本プライマリ・ケア学会理事・石橋クリニック院長)▽プライマリ・ケア認定薬剤師制度(地域医療を支える薬剤師を目指して)=矢澤一博氏(日本プライマリ・ケア学会理事・同学会薬剤師研修制度に関する委員会)--の講演が予定されている。