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【医薬翻訳サービス】アスカコーポレーション

2024年09月27日 (金)

顧客に合わせた「協働モデル」‐昨年は「AAMT長尾賞」受賞

早川氏

早川氏

 医薬に特化してサービスを展開し、翻訳やメディカルライティングなどを手掛けるアスカコーポレーションは、依頼者の要望を解決するために、カスタマイズ翻訳エンジンの構築と併せて翻訳の品質水準について合意した上で翻訳作業を進める「協働モデル」を推進している。また自社開発の機械翻訳エンジンであるSciLingualやAI翻訳プラットフォームである「AIKO SciLingual」の提供をはじめ、今後はチャットGPTをデスクトップで使える新アプリ「GenTA」をリリースするなど、技術革新を取り入れたサービス開発にも意欲的だ。

 同社は4月に30周年を迎えた。長年にわたり医学・医薬に特化することで専門性を高めるだけでなく、AIなどの最新技術も積極的に取り入れ、精度を維持しながらスピード化を実現した翻訳サービスを提供し続け、現在国内の多くの製薬企業と取引実績を持つ。同社の翻訳者は合格率5%の厳しいトライアルを経て登録され、その半数以上が、医学・薬学、工学などのバックグラウンドを持ち、翻訳支援ツールや医学・医薬に特化した同社オリジナルの翻訳エンジンであるSciLingualなども活用し、高品質なサービスを提供している。

佐藤氏

佐藤氏

 現在推進している「協働モデル」は、製薬企業など依頼者の納期短縮の要望を解決するために、顧客のスタイルや用語に合わせるためのカスタマイズエンジンを構築すると共に、品質に関する優先順位を取り決めた上で作業を進めるモデルだ。昨年、中外製薬とのプロジェクトである「医薬品開発業務を迅速化するための機械翻訳の協調的開発と運用」で「第18回AAMT長尾賞」を受賞したものもその一例である。本プロジェクトでは翻訳にかかる時間を従来と比べ約4割削減する成果を上げたが、製薬企業と翻訳企業の望ましい協力関係を具現化したとして大きな注目を浴び、同モデルの利用拡大により弾みがついたという。

 翻訳に求められるスピードと品質では、技術革新が一つのカギとなる。同社では目的に合わせて様々なサービスを展開できるのも大きな強みだ。

 また同社が提供する「AIKO SciLingual」は、医学・医薬特化翻訳、翻訳編集、データ管理、チーム共有、同社への翻訳依頼が可能なAI翻訳プラットフォームだ。医学・医薬特化型のSciLingualエンジンを含む四つのエンジンから選択でき、治験関連文書から承認申請資料、論文のような専門性の高い文書から、会議資料やプレスリリースなど幅広い場面での使用が想定されている。

 開発部で技術を担当する早川威士氏は、「翻訳会社にとって技術をどう使うかの目的が大事だと考えている。新しいサービスを製薬業界に提供することが患者さんの治療や人々の健康のためにつながるという大きなゴールを目指したい」と話す。

 また同社は、翻訳サービス提供の枠を超え生成AI技術を活用した新サービスにもフォーカスを当てる。まずはチャットGPTをクイックに業務導入することを目指し、シンプルさと使いやすさを追求したデスクトップクライアントアプリ「GenTA」を今秋リリースする予定だ。

 執行役員の佐藤直人氏は「治験の迅速化や世界同時申請など、製薬業界の課題に応えるために、今後ますます技術の活用を進めてクライアントの要望に応えていきたい」と語る。

アスカコーポレーション
https://www.asca-co.com/



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