農林水産省は、スギ花粉症の根治を目指したスギ花粉米の実用化に向け、来年度から3年間にわたってGLP基準に準拠した非臨床試験、臨床研究を実施する。動物を用いた作用機序の解明と安全性・有効性の確認、ヒトへの投与による免疫寛容の効果を誘導する用法・用量、投与期間の検証を行い、ヒトでの有効性・安全性を示すPOCを取得して製薬企業への技術移転を目指す。農水省は「今後蓄積するデータから明確な効果を示し、アレルギー反応が起こる副作用リスクが少ないなど、安全性の高さが実証されればスギ花粉米をOTC医薬品として販売できる可能性もあるのではないか」と期待している。
OTC薬実現可能性も
スギ花粉米は、強いアレルギー反応を起こりにくくするために、スギ花粉のアレルゲンの構造を改変した蛋白質を遺伝子組み換え技術によりコメに蓄積させたもので、農業・食品産業技術総合研究機構が開発した。既存のスギ花粉症に対する皮下・舌下免疫療法の投与経路とは異なり、腸管免疫の仕組みを利用したペプチド免疫療法だ。
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