順天堂大学順天堂医院は2日、より多くンパーキンソン病患者やその家族への包括的なケアを行うため、専門医と多職種によるチーム医療を実践する「パーキンソン病センター」(センター長:波田野琢氏)を4月1日に開設したと発表した。

これまで同院のシステムは、各診療科での診療や定期検査、デバイス療法のための専門外来受診など、個々の外来で対応してきた。また、パーキンソン病ケアには、在宅医療など社会的資源の調整が必要不可欠だが、看護師や薬剤師、リハビリテーション療法士、ソーシャルワーカーなど専門職の不足によって、患者と介護者への提供は十分とは言えなかった。
今回開設されたパーキンソン病センターは、専門医と多職種が包括的に運営されることによって、パーキンソン病患者と介護者に対して、円滑かつ安心な包括的ケアを目標にしている。
具体的には、初診の患者や定期診療・検査、デバイス療法導入のための評価など一元的な窓口として、同センター専門外来を設置した。受診した個々の患者のアンメットニーズに対応するため、専門医ばかりでなく多職種による相談、情報提供などを行う。必要に応じて入院検査や治療を提案し、退院後の社会調整、患者や介護者への教育イベント開催などを含めた包括的ケアを提供する。
同院の脳神経内科は、2023年に米国のパーキンソン病患者団体であるParkinson′s Foundationから、Centre of the Excellenc(COE)の認定を受けている。25年現在、世界で54拠点のみが認定を受けており、そのうちアジアでは3拠点、日本では同院のみとなっている。
今後同センターは、個別化医療やリハビリテーションの強化、教育プログラムの拡充、テータ活用を通じた研究や臨床試験の促進、国際連携を図ることにより、患者と介護者のよりよい医療環境を構築し、国内のパーキンソン病診療における中心的役割を担っていく。
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