パナソニックは24日、睡眠評価研究機構代表・医学博士の白川修一郎氏の監修の下、ナノイー(帯電微粒子水)技術が、睡眠を妨げる一因とされる寝具表面から1cmの深さに存在するダニアレルゲンを抑制できることを実証したと発表した。加えて、麻布大学獣医学部の福山朋季准教授との共同研究から、ダニアレルゲンによる、かゆみや炎症に関与する免疫反応も抑制されていることを、細胞レベルで確認した。
ダニアレルギーは、アレルギー疾患中でもダニアレルギーは2番目に患者数の多い。ダニは布団や枕などの寝具に多く潜んでおり、その数は2m2(布団1枚相当)あたり14万匹以上いると言われている。
また同社が行った調査では、日本人の約9割が睡眠に関する悩みを持っていることが明になっている。その内訳は、「寝つきが悪さ」「睡眠の質の悪さ」「夜中に目が覚める」など、何かしらにより「睡眠が妨げられる」個で発生する悩みが上位を占めた。その原因の一つにダニアレルギーがある。
白川氏は、寝具表面から1cm以内の深さに存在するダニ由来のアレルゲンが寝返りなどで空気中に舞い上がり、アレルギー症状を誘発することで睡眠を妨げる一因になっていると指摘している。
今回、ナノイーは髪の毛の10万分の1のナノサイズの粒子であることから、寝具の繊維に潜むダニアレルゲンまで抑制できるのではないかと考え、検証を行った。また、かゆみや炎症に関与する炎症が抑制されているかどうか、細胞試験によって確認した。
まず、白河氏の監修の下で作製した枕モデル表面から1cmの深さにダニアレルゲンを投入。ナノイーが充満した6畳相当の空間内に設置し、一定時間後、谷アレルゲンの残存率を計測した結果、枕モデル内のダニアレルゲンが99%以上抑制されていた。
次に、ナノイーを一定時間照射したダニアレルゲンを免疫細胞に与え、炎症性物質(サイトカイン)の放出量や、かゆみ成分(ヒスタミン)を放出する肥満細胞の活性度などを計測した。その結果、サイトカインの放出抑制とヒスタミンを放出する肥満細胞が活性抑制されたこと、樹上細馬王では炎症性物質の酸性抑制や、アレルゲン情報を伝える細胞膜抗原の発現が抑制され、ナノイーによる過剰な免疫反応の抑制が確認できた。
これらの成果は、ナノイー技術は空間浄化を超えて、「睡眠環境の質」へも寄与し得る新たな可能性を見出したもの。なお、この検証は試験条件での結果であり、実使用空間における効果を検証したものではない。
白川氏は、「布団や枕の中には想像以上の数のダニが潜んでいる。ナノイー技術は今回の検証で、ヒトが介在することなく、寝具の中まで抑制できることを実証した。このことから快適な寝室環境づくりへの貢献が期待できる技術だといえる」と述べている。
麻布大学の福山氏は、「今回の検証でナノイー技術がダニアレルゲンを抑制することで、かゆみや炎症に関与する免疫反応も抑えられることが確認できた。この結果から、ダニアレルギーの症状緩和と、睡眠を妨げる作用抑制をナノイー技術によって期待できる」とコメントしている。
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