
4月に国立がん研究センターの理事長に就任した間野博行氏は本紙の取材に対し、今後の癌研究について「一人ひとりの癌の発症リスクを定量的に測定可能な“精密予防”の時代になる」と述べ、癌の予防法開発に力を入れる方針を打ち出した。「医療産業や医療システムは今後、治療から予防の方向にシフトする。全ての癌でできるとは思っていないが、いくつかの癌では必ず予防法を開発できる。癌の予防領域で、われわれが世界のリーダーシップを取れるようになりたい」と意欲を示した。
間野氏は、肺癌の原因となる遺伝子「EML-4-ALK」を発見した癌の研究者で、同センター理事長と兼務で研究所所長も務める。任期中に成し遂げたいこととして、▽海外の創薬エコシステムと連携して新たなモダリティ(創薬技術)を開発する▽製薬企業との連携を通じて同センターが基礎研究から臨床開発までを実施し、新規抗癌剤について迅速な承認を目指す▽癌の予防法を開発する――三つの柱を掲げた。
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