ふくしま医療機器開発支援センターは、高校生以上の学生を対象とする「第6回医療創生アイデアコンテスト」を募集していたが、その最終審査結果が10月29日に郡山市で開かれたメディカルクリエーションふくしまで発表された。最優秀の文部科学大臣賞には、香川大学創発科学研究科の渡辺悠斗さんが開発したウェアラブル電気式人工喉頭「melomo」が選ばれた。

表彰を受ける渡辺さん
喉頭癌などで声帯を摘出した人が、代替発声手段として電気式人工喉頭を用いる場合、従来製品には抑揚に乏しい単調な発声になりがちで、使用時には片手が塞がってしまう等の課題があった。渡辺さんはそれらの点を改善すべく研究を重ね、ハンズフリーで使用でき、かつ手指を上下左右に動かすだけで抑揚や強弱のついた自然な発話ができる新たなインターフェースを開発した。
コンテストではまた、水分補給を忘れがちな子供が、自ら水分を摂りたくなる新しい水筒「ボトレジャー」が優秀賞と協議会賞をダブル受賞した。筑波大学芸術専門学群の瀬上実桜さんが生み出したアイデア。さらに愛媛大学医学科の富岡珠里さんの「命を救うハンカチ」も優秀賞に輝いた。プライバシーにも配慮しつつ、胸骨圧迫を上手くできるように工夫した。
このコンテストは、次代を担う学生が予防、医療、介護などに役立つ機器の開発を通じて、健康的な生活を支えることに関心を持つきっかけを作ることが目的。[1]日常生活を健康に送るための製品アイデア、[2]助けを必要とする人の生活を支える製品アイデア――という二つの課題で募集を行ったところ、全国から230件の応募があった。そのうち6件が一次審査を通過して、この日の最終審査に臨んだ。
講評を行った審査委員長の宮村安治氏(ふくしま医療機器開発支援センター長)は、「審査会では意見がぶつかり、白熱した議論が延々と続いた。最終審査に残った6件のアイデアはいずれも素晴らしく、優劣をつけ難かったことの証と言える」と報告した上で、文部科学大臣賞を受賞したmelomoについては、「デザインとコンセプトが特に高く評価された」と述べた。
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