PHCホールディングス傘下で病理事業を展開する米国のエプレディアグループ(エプレディア)はこのほど、同社のE1000Dxデジタルパソロジーソリューション(E1000 Dx)が、国際団体である「AI支援病理診断エコシステム(EMPAIA)」主催の2025 International Scanner Benchmark(ISB)の3部門で賞を獲得したと発表した。今回の受賞は、臨床現場での検証済みAIソリューションの活用を推進するEMPAIAが、病理学におけるデジタルスライドスキャニング技術の品質、生産性、デザインの卓越性が評価されたもの。
E1000Dxは、自動化された高速ホールスライドイメージング(WSI)デジタルスキャナー、医療用モニター、高度な画像管理および画像表示ソフトウエアを搭載し、1日あたり最大1500枚の組織サンプルの高解像度デジタル画像を作成することができる。また、サンプル検出や品質管理に先進技術を採用し、検査室の処理能力と効率の最大化を図り、診断の効率性と正確性の改善が図れる。
EMPAIAは、検証・認証済みAIソリューションの導入に向けた規制、法務、技術、また組織面での対応を支援している。ISBを通じ、EMPAIAは病理学分野におけるトップクラスの画像診断技術を見極め、今後のAI診断に欠かせない高精細なデジタル画像を生成する技術を評価している。
E1000Dxは今回、20倍拡大のデジタル画像における「品質」、そして40倍拡大のデジタル画像における「品質」および「高処理能力」の各部門で、2025年度ISBを受賞した。
欧州各地の様々な検査室から収集した検体サンプルを対象に実施された包括的かつ客観的なスキャナー評価に基づいており、病理専門医から構成される委員会が審査した結果、今回の受賞となった。
表彰式は、9月にオーストリアの首都ウィーンで開催された第37回ヨーロッパ病理学会(European Congress of Pathology)で行われた。
E1000Dxは、エプレディアにとって重要な提携パートナーで、病理診断分野で世界をリードする3DHISTECH社が開発した技術が基盤となっている。3DHISTECHもまた、25年ISBにおいて、20倍拡大でのデジタル画像の「高処理能力」および「技術力」の各部門で、Pannoramic 480 Dxデジタルスライドスキャナーが最高クラスの評価を受けている。
エプレディア社長のSteven Lynum氏は、「デジタルパソロジーは、がん診断における次世代技術です。AIは、がんのような疾患の診断や治療のあり方を飛躍させる大きな可能性を秘めています。私たちは、エプレディアと3DHISTECHのソリューションが、検査室における顧客のデジタルパソロジーへの投資効果を最大化できるよう支援し、将来的にこの技術がAIを活用した診断を支えることに期待しています」と述べている。
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