企業担当者向けツール開発‐迅速な翻訳ニーズに対応

三浦氏
memoQは、同社が提供する翻訳管理システムについて主力のプロ翻訳者向けの「memoQ TMS」に加え、新たに企業内担当者向けの「memoQ fluent」を開発し、来春にもリリースする。現場で迅速に翻訳する必要があるニーズに応える。製薬企業内への導入も期待する。同社としてはプロ向けとの2本立ての翻訳ツールの展開に踏み出す。将来的には、両ツールの連携も視野に入れる。また同社は、昨今の情報セキュリティ意識の高まりを受け、情報セキュリティ国際基準「SOC2Type1コンプライアンス」を今年取得した。

糸目氏
同社の「memoQ TMS」は日本ではライフサイエンス分野では約10社が採用する有力TMS。新たに開発した「memoQ fluent」は、よくある機械翻訳のようなUIで、画面左側にソーステキストを貼り付けることで、画面右側に翻訳が出てくる。バックグラウンドに生成AIを使っている。特徴は翻訳したいテキスト全部を対象にするため、文脈全体を見て翻訳される点。また、翻訳したいファイルをドラッグ&ドロップすることで翻訳ができ上がってくるようにもなっている。
シニアセールスマネジャーの三浦陽氏は、「私たちはプロ向けに最適な環境で使っていいただくツールを提供しているが、memoQ fluentはプロに依頼するまでもない場合において即座に精度よく翻訳をしたいというニーズに応えるために開発した」と説明する。同社は「memoQ fluent」を来年早々にも企業側への紹介を始める予定にしている。当初は北米の企業を対象にするが、遠からず日本にある関連企業にも紹介の機会を得たい考えだ。
主力のプロ向けツールにも生成AIを導入、進化させている。そのツール「memoQ AGT」のAIモデルを継続的に更新することで翻訳精度を高めている。
機能も改善を進め、▽原文に埋め込まれたハイパーリンクなどのタグを、翻訳後も正しい位置に埋め込む(以前は翻訳者が正しい位置に入れ直していた)▽蓄積した翻訳メモリ、用語データベースを活用し、リアルタイムでそのまま翻訳に反映する――ことができる。三浦氏は、「多くのお客様にトライアルしていただき、そのまま本契約になった」とアピールする。
これは顧客の声を反映し、年4回更新を行う同社の方針によるものである。その方針は主力の「memoQ TMS」もさらに進化させている。
主に▽プロジェクトマネジャー向けデスクトップ版において、情報セキュリティ強化ニーズに応え、翻訳ファイルを翻訳者が自らPCに書き出せないようにした▽サーバー上で運用するブラウザー版を刷新し、インストールせずに更新できるようにし、UIも改善し、ウインドウをポップアップしマルチ画面で作業ができるよう利便性を高めた――。
ソリューションエンジニアの糸目慈樹氏は、「私たちのツールは現場からのユーザーのフィードバックで進化、発展している」と話す。
三浦氏は、同社のツールについて「私たちのツールは、従量課金制ではなく、課金なし文字数制限なく使えるのが特徴の一つ。またマイクロソフトのマーケットプレイスで購入できる唯一のTMS。購入方法には柔軟なプランがあり、お客様に最適な形で導入できるようにしてあるので相談いただきたい」とメッセージを送る。
memoQ
https://www.memoq.com/


























