
表彰状を授与される麻野井院長(左)
パラマウントベッドは10日、同社グループ会社であるハートラボが大阪大学の協力を得て開発した「RST算出プログラム」が、日本人工臓器学会の「2025年度日本人工臓器学会技術賞」を受賞したと発表した。
心不全などの心疾患の増加が危惧される中、睡眠中の呼吸の安定性を測定する独自指標「RST(Respiratory Stability Time)」を活用した「RST算出プログラム」が、心不全悪化の早期発見と重症化の阻止に貢献する技術として高く評価されている。
RSTは、阪大国際医工情報センター招聘教授で富山西総合病院の麻野井英次院長が、心不全患者の睡眠中に見られる呼吸様式の異常に着目して開発したもの。ハートラボは、このRSTを自動で算出・可視化するクラウド型システム「RST算出プログラム」を開発し、2024年8月23日付で厚生労働省からクラスII(管理医療機器)のプログラム医療機器(SaMD)として承認されている。
同プログラムの特長としては、身体に負担をかけず、マットレスや布団の下に敷いた体動センサで測定できる非侵襲性が挙げられる。また、睡眠中の体動データをクラウドに送信し、RSTを自動算出できることや、遠隔モニタリング機能によって、医療機関が患者のRSTを毎日確認でき、心不全増悪などの変化が追跡可能となっていることも挙げられる。
これにより、在宅の心不全患者において、症状が現れる前に悪化の兆候を捉え、早期の治療介入が可能となった。現在、在宅慢性心不全患者を対象とした特定臨床研究「ITMETHOD-HF-III」が多施設で進行中で、RSTを活用した治療による心不全増悪入院や、心不全による死亡の低減効果が検証されている。
パラマウントベッドとハートラボは今後も、「RST算出プログラム」の保険適用および利用拡大を目指し、進行中の特定臨床研究を推進していく。
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