日立製作所は16日、オープンイノベーションによるAI創薬を加速させる「秘匿AI基盤」を開発すると発表した。同基盤は、同社が有する秘匿情報管理技術や、医薬・IT・AI活用に関するドメインナレッジを活用したもので、製薬企業やアカデミアなどが持つ機密性の高い研究データとAI創薬スタートアップのAIモデルを、互いに開示することなく安全に連携することができるため、創薬へのAI活用を促進し、創薬プロセスの効率化が図れる。同社は創薬領域のAIモデルを強みとするMOLCUREとの協創を通じ、今年度から同基盤をベースとした「OI(オープンイノベーション)創薬基盤サービス」としての提供開始を目指し、本格的な検討を進めていく。
同サービスは、MOLCUREが強みを持つ抗体を対応領域としてスタートし、将来的には核酸、ペプチドなど多様なモダリティへの拡大を見込んでいる。さらに、製薬企業やアカデミアなどが求める技術ニーズと、スタートアップが保有するシーズを、機密性を保ちながらマッチングする機能の提供も目指す。
日立の秘匿情報管理技術は、高度な暗号化により、万一データが漏洩しても元の情報を復元できない堅牢性を有しいる。また、MOLCUREのAIモデルは、進化分子工学と実験自動化技術を組み合わせて収集した高品質なデータを学習したもの。同サービスは、日立が同基盤上に創薬業務に必要なFine-Tuningなどのプログラム群を整備することにより、MOLCUREをはじめとするAI 創薬スタートアップの特長的なAIモデルをベースに、自社データを用いたオリジナルのAIを開発できる環境を提供する。
両社は、3月までに基盤の有用性を検証するためのPoC(概念実証)を実施し、同基盤上で学習データおよびAIモデルを秘匿しながら、安全に学習・推論可能であることを確認していく。将来的には、AI創薬パートナーやAIサービスを活用したい製薬企業や医薬品開発業務受託機関、バイオテック企業、アカデミアの参画を募ることで、同サービスを通した製薬企業、アカデミア、スタートアップ間のオープンイノベーションのさらなる促進を目指していく。
また、日立は同サービスを複数の企業、アカデミア、自治体などが、共通の目的のために技術開発や新規事業の創出に取り組むコンソーシアム型へと進化させ、Lumada3.0を体現するHMAX Industryを支えるサービスとして、日立が注力しているバイオ医薬分野に展開することを目指す。
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