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【東大病院】再発膠芽腫対象に、癌ウイルス療法の臨床研究開始

2009年8月13日 (木)

会見する武谷院長(左)

会見する武谷院長(左)

 再発した膠芽腫を対象に、遺伝子組み換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV‐1)を用いた癌ウイルス療法の臨床研究が、東京大学病院でスタートする。武谷雄二氏(東大病院院長)が明らかにしたもので、臨床試験は今月下旬から実施される予定だ。対象患者は21例を想定している。

 HSV‐1は口唇ヘルペスを起こすウイルスで、ヒトのあらゆる細胞に感染できることや、細胞を殺す力が比較的強いこと、一方で、抗ウイルス剤が存在するため治療を中断でき、患者がウイルスに対する抗体を持っていても治療効果が減弱しないことなどから癌治療に適している。既に、弱毒株のHSV‐1や遺伝子組み換え型HSV‐1を使った臨床研究が進められているが、まだ実用化はされていない。

 今回用いられるのは、HSV‐1から、正常細胞では必要で、癌細胞では不要な遺伝子を取り除いた、癌細胞だけで増える「G47Δ」という遺伝子組み換えウイルス。藤堂具紀氏(東大病院トランスレーショナルリサーチセンター特任教授)らが開発したもので、第3世代の遺伝子組み換え型HSVとされている。

 「G47Δ」は、癌細胞以外では蛋白合成ができないようにγ34・5遺伝子を欠失させたほか、増殖細胞だけでウイルスDNA合成するようにICP6遺伝子を不活化、さらに、癌細胞でのみウイルス複製が増強するようにα47遺伝子を欠失させるという、三重変異が施されている。それによって、正常細胞を傷つけることなく、癌細胞のみで増殖し破壊する仕組みを確立した。

 臨床試験では、定位脳手術で「G47Δ」を腫瘍内に局所投与し、安全性を評価する第I相試験と、治療効果を調べる第II相試験が予定されている。HSV‐1を応用した癌ワクチン療法は、脳腫瘍だけでなく、あらゆる固形癌への応用が可能と考えられており、「G47Δ」についても今後、各種の癌への応用が期待される。




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