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【開発・審査期間】短縮傾向も、目標値とは大きな開き‐製薬協政策研調査で判明

2009年09月11日 (金)
石橋主任研究員

石橋主任研究員

 日本製薬工業協会医薬産業政策研究所の石橋太郎主任研究員は10日、新薬の開発期間と審査期間の動向に関する調査結果を公表した。審査期間全体を見ると、2008年承認品目の中央値で19・0ヵ月と短縮傾向が見られたものの、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が掲げる11年度の目標値とは、大きな開きがあることが分かった。特に審査プロセスのうち、申請者側はPMDAから送られる質問や指摘など、追加照会事項の入手に時間を要していることが判明。審査のさらなる迅速化に向けた課題も浮かび上がった。

 調査は、薬事・食品衛生審議会の各医薬品部会で04~08年に審議、05~08年に審議・報告された品目について、申請者の製薬企業にアンケートを実施したもの。

 その結果、承認審査期間の推移を中央値で見ると、08年には通常審査品目で21・9ヵ月、優先審査品目で15・6ヵ月、全体で19・0ヵ月と短縮傾向が見られた。申請者側の製薬企業も、通常審査品目の60・5%、優先審査品目の76・5%で「審査遅延なし」と評価していたが、PMDAが11年度の達成を掲げた通常審査品目12ヵ月、優先審査品目9ヵ月の目標値とは大きな開きがあった。

 審査期間を各審査プロセスごとに分析したところ、申請企業にPMDAから送られる質問や指摘など、追加照会事項の入手に時間がかかっていることが分かった。その後に行われるPMDAとの専門協議にも、時間を要していたことから、照会事項への迅速な対応が、審査期間のさらなる短縮に向けた課題として浮かび上がった。

 一方、臨床開発期間に関しては、08年の中央値で新規化合物が78・4ヵ月、新規化合物以外で32・1ヵ月と大きなバラツキが見られた。また、新規化合物では85・2%が海外第II相、第III相試験データを利用しており、特に海外臨床データを添付した品目では、臨床開発期間が有意に短いことが明らかになった。

 石橋氏は「国内で第I相試験からフルパッケージの開発を行う品目から、海外臨床データを活用した品目が混在しているため、開発期間のバラツキが大きいのではないか」と分析した。



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