厚生労働省の先進医療専門家会議は10日、センチネルリンパ節生検技術4件を、個別に実施を承認する第3項先進医療から、要件を満たせば届出によって実施できる第2項先進医療に移行させると共に、院内製造FDG製剤を使った小児期悪性腫瘍に対するPET検査を、新たに第2項先進医療へ追加することを了承した。いずれも10月から適用する予定。
先進医療制度では、薬事法未承認や適応外の医薬品等を使った技術を第3項で、薬事法で承認されていながら保険適用されていない医薬品等を使った技術を第2項で、それぞれ保険診療との併用を認めている。
今回、第2項にする技術は、[1]乳癌の腋窩リンパ節に対するセンチネルリンパ節生検(放射性同位元素と色素の併用)[2]同(色素単独)[3]悪性黒色腫に対するセンチネルリンパ節生検[4]悪性黒色腫に対するセンチネルリンパ節生検と遺伝子診断――の4件。
これらの技術に試験用薬として用いる、▽インジゴカルミン注20mg▽ジアグノグリーン注射用25mg▽スズコロイドTc‐99m注調製用キット▽テクネフチン酸キット--は、これまで適応外だった。しかし、8月末の薬事・食品衛生審議会医薬品第1部会で一部変更が報告され、近く正式に薬事承認されることとなったため、第3項の枠組みから外れることとなった。
そのため、各技術について、施設要件を設定し、いずれも薬剤師の配置を義務づける。また、当該症例の施設実績として、[1]乳癌のセンチネルリンパ節生検(放射性同位元素との併用)は3例以上[2]同(色素単独)は5例以上[3]悪性黒色腫のセンチネルリンパ節同定生検は3例以上[4]悪性黒色腫のセンチネルリンパ節生検と遺伝子診断は3例以上--を、それぞれ求める。
新規追加のFDG―PET検査は、小児期悪性腫瘍のうち神経芽腫、軟部肉腫、肺細胞性腫瘍、腎芽腫に適用する。ガリウムシンチグラムなどの核医学検査より小さな病変を検出でき、患者の放射線被爆量が少なく、小児患者に対する有用性は高い。
施設要件では、放射線科を必須条件とするほか、診療放射線技師の配置やFDG製剤の院内製造体制の整備を定める。また、成人等で比較的広く使用され、技術としての安全性が確認されているため、施設実績の条件は、1症例以上とすることとなった。