
田辺三菱製薬は、経口脊髄小脳変性症治療剤「セレジスト錠」(一般名:タルチレリン水和物)の口腔内崩壊錠「セレジストOD錠5mg」を新発売した。「セレジスト錠」は、2000年9月に販売されている。
脊随小脳変性症は、小脳または脊髄が変性して運動失調等の症状が現れる原因不明の神経変性疾患。厚生労働省の定める特定疾患に指定され、日本では07年度で約3万人の患者が認定されている。
脊髄小脳変性症の主症状の運動失調に対しては、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)を注射する方法が唯一の治療法だった。同剤は、TRHを誘導体化することで体内での安定性を高め、世界で初めてTRH経口投与を可能とした薬剤で、患者の負担軽減に寄与してきた。
新発売された「セレジストOD錠5mg」は、口の中で素早く溶け、水ありでも水なしでも服用できるのが特徴で、患者の服薬コンプライアンスの改善が期待されている。薬価は1錠1178・90円。