オリンパスと科研製薬は、線維芽細胞成長因子「bFGF」について、創傷治癒分野の欧米での開発・製造・販売権に関するライセンス契約を締結した。
オリンパスは、生体材料を中心とした再生医療事業を展開し、これまで東京女子医科大学との共同研究のほか、子会社「オリンパステルモバイオマテリアル」で人工骨補填材の販売を手がけてきた。一方、科研製薬は、遺伝子組み換え技術で製造したbFGFを用いて、再生医療医薬品の研究開発を進めてきた。
今回、オリンパスは、科研製薬が持つbFGFのデータや技術を活用し、製品化を目指すことで、創傷治癒分野のラインナップ拡充を図る。既に科研製薬は、2007年に歯科領域でサンスターにbFGFの権利を導出しているが、創傷治癒分野での導出はそれに次ぐ契約となった。
bFGFは、生体内に存在し、細胞の増殖や分化の調節を行っている蛋白質の一種で、皮膚、血管、骨、軟骨などの組織の形成に強く関与している細胞成長因子。既に国内では、科研製薬が01年に世界初のヒトbFGF製剤「フィブラストスプレー」を発売している。現在、創傷治癒分野以外の領域でも開発が進行中で、歯周病の適応で第III相試験段階、骨折の適応で第II相試験を終了した段階にある。