日本化薬は、バイオ後続品事業への参入準備を本格的に進める。年内には具体的な開発計画を詰める予定で、将来的には現在開発中の高分子ミセル化抗癌剤と並ぶ事業の柱に育てたい考えだ。
同社は、ジェネリック抗癌剤を主力事業に位置づけ、2010年5月期中間決算では、大幅に売上を拡大している。こうした中で、今後、ジェネリック抗癌剤領域でさらなる伸長を図るためには、他のジェネリックメーカーとの差別化が必要不可欠とし、バイオ後続品事業への参入を検討してきた。
実際には、バイオ後続品が低分子のジェネリック医薬品に比べ、多大な開発コストがかかることから、自社による原薬の製造は行わず、製薬企業から原末の供給を受けて、バイオ後続品の製剤化に取り組む方針だ。年内にも、原薬を供給する製薬企業の選定や具体的な開発計画の検討作業を進めていく。
10年度薬価改定では、バイオ後続品の薬価算定が先行バイオ医薬品の0・7倍をベースに、臨床試験の充実度に応じて10%加算する仕組みが採用される予定になっている。同社は、加算という追い風も視野に、バイオ後続品事業を将来の重点領域に育てたいとしている。