大日本住友製薬は、統合失調症治療剤として開発中の非定型抗精神病薬「ルラシドン」について、FDAに新薬承認申請を行ったと発表した。申請は、昨年12月30日に同社米国子会社の大日本住友製薬アメリカが行ったもの。
ルラシドンは、大日本製薬として海外進出の皮切りとなる期待の薬剤。申請には、投与された2500人以上の患者が関わった40以上の臨床試験データが含まれている。
グローバル第III相試験のパール1試験、パール2試験を含む4本の臨床試験では、入院患者を対象に6週間投与のプラセボ対照比較試験が行われた。その結果、ルラシドンは1日1回投与で、統合失調症の症状に対して改善効果が得られている。
副作用面でも、総じて良好な忍容性を示し、体重や脂質への影響も限定的で、運動障害パラメーター、プロラクチンレベルの異常も概して軽微との結果だった。
多田正世社長は、「ルラシドンのグローバル臨床開発の促進に全力で取り組んだ結果、米国での新薬承認申請という、当社にとって重要なマイルストーンを当初の予定よりも早く達成することができた」としている。
また、大日本住友製薬アメリカのアントニー・ローベル臨床開発担当副社長は、「ルラシドンは、統合失調症の症状に治療効果を示し、かつ、体重増加や代謝異常といった副作用の少ない薬剤だと考えている」と期待を示した。