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転換図る節目の年に‐製薬各社社長が年頭あいさつ

2010年01月07日 (木)

 昨年末は、製薬業界が提案していた新薬価制度案が「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」として、2010年度から試行的に導入されることが決定し、今年はかつてない大きな転換期を迎える。こうした状況を反映し、製薬各社社長の新年あいさつでは、今年を重要な節目の年と捉える認識が目立った。

武田薬品・長谷川閑史社長

 昨年、ガバナンス体制を刷新し、未進出地域への進出を加速させると共に、これまでの研究開発のあり方を抜本的に見直し、「量・スピード」から「質」の重視へと大きく方針を転換した。

 特許満了による主要製品の売上の減少を、いかに補っていくかが当面の最大の課題である。この局面を脱した後の新たな成長軌道を確かなものとするために、ビジョンを描き、プロアクティブに必要な取り組みを進めていく。

 世界的製薬企業を目指す上で取り組むべき重要課題の一つが、日本のタケダのグローバル化である。今後、これまで以上にグローバルに通用する人材が必要になる。一方で、いかにグローバル化が進んだとしても、ルーツを失った無国籍の企業になってしまっては、将来の継続的な発展は望めない。

アステラス製薬・野木森雅郁社長

 世界的に医療費抑制策が進行する中で、当社はプログラフ、ハルナールの主力2製品の米国物質特許が満了するというこれまでにない困難に直面している。これらの困難を克服するためには、従来の延長線上ではない対応が求められる。アステラスの明日を変え、患者さんの明日を明るい未来へと変えるために、果敢に挑戦を続けていこう。

第一三共・庄田隆社長

 昨年を振り返ると、欧米をはじめとする海外営業基盤を拡充すると共に、今後の成長を牽引する期待の新薬エフィエントの欧米での発売、将来の成長の源泉となる抗Xa剤エドキサバンやデノスマブ、抗インフルエンザウイルス薬ラニナミビルなどの研究開発プロジェクトの着実な進展があった。ランバクシーを加えた「複眼経営」の実現を目指したグローバルな事業連携も具体的な形で開始することができた。今年はグループとして、グローバルな「機能軸」とローカルな「法人、地域軸」のマトリックスマネジメントをより明確な形で推進し、第一三共グループ全員の力で「多様性に富んだ強い企業」として成長していきたい。

エーザイ・内藤晴夫社長

 10年は、当社にとって大いなる節目の1年となる。抗癌剤「エリブリン」、敗血症治療剤「エリトラン」の二つの新製品、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」の高用量製剤、抗腫瘍剤「アシフェックス」の長時間作用型製剤の4品目の上市に向けて、これまで準備してきたイノベーションを成果に結びつける1年とする。主力品の米国における特許満了を見据え、米国だけでなく、日本、欧州、中国、アジアの全てのリージョンが、それぞれの役割をしっかり果たしていく。

田辺三菱製薬・土屋裕弘社長

 「中期経営計画08‐10」の最終年度に当たる本年を、「継続的に自力成長する企業への転機の年と位置づけ、本計画のコンセプトでもあるダイナミック・シナジーをベースに「強みづくり」と「生産性向上」の視点で競争力を強化し、次期中期経営計画の成長ステージにつなげていく。

協和醗酵キリン・松田譲社長

 製薬業界にとって最大の関心事である新しい薬価制度が議論された。この新薬価制度は、イノベーションをベースにした画期的な新薬を創製することを目指している当社にとっては、決して不利な制度ではなく、むしろ有利な制度になり得るのではないか。

 世界トップレベルのバイオテクノロジーを基盤とし、激変する環境変化のスピードを上回るスピード感を持って、パイプラインの充実と開発の進展に取り組もう。

中外製薬・永山治社長

 10年は、当社が目指す「トップ製薬企業像」の実現にとって重要な年になる。「アクテムラ」「アバスチン」など、革新的医薬品の価値最大化を通した製品の市場浸透と市場創造、既存製品の市場防衛、新製品の上市準備活動などにより、各戦略領域でのプレゼンスの維持・向上を目指す。大きな変革の波が押し寄せる中、ファーストインクラス、ベストインクラスの薬剤を提供し続けることで、中期経営計画「Sunrize 2012」達成を確実なものにすると共に、その先にあるトップ製薬企業像の実現に邁進する。

塩野義製薬・手代木功社長

 10年は第二次中期経営計画が3月で終了し、新年度からは第三次中期経営計画がスタートする重要な年になる。成長を信じ、毎日がトーナメント戦であるという緊張感を持って、「今日すべきこと」を明日に延ばさない日常の行動が、とても大切である。また、コンプライアンスの重要性を再度考え、シオノギの2016年問題を乗り越えるために、一人ひとりが業務の取り組みを今一度考えてもらいたい。

大日本住友製薬・多田正世社長

 昨年のトピックスは、ルラシドンのグローバル臨床試験で良好な結果が得られたこと、米国自販体制の構築に向け、セプラコールを子会社化したことだ。10年は、当社にとって事業の規模拡大と質的転換が同時に起こる、波乱に富んだ年となることは間違いない。全社で国内事業の強化とグローバル化の機運が高まってきている今こそ、自らを変革し、新しい何かを始めるまたとない機会だ。

大正製薬・上原明社長

 1995年以来、OTC医薬品市場を取り巻く事業環境は大きく変質してきた。それには再販指定解除、小売店の合従連衡、ドリンク剤の規制緩和、トクホ商品の成長、販売制度改正などが影響している。しかし、医薬品産業は高齢化社会にとって大きな成長産業であり、非常に有望な産業である。販売制度改正を機に、生活者が価格ではなく、情報を入手して、自分の症状に合った薬を選ぶという、セルフメディケーションの方向へと変えていこう。

日本新薬・前川重信社長

 当社を取り巻く事業環境は、厳しい逆風が吹いている。社会にとって「存在意義のある会社」となることの実現に向けて、社員全員のベクトルを合わせ、「逆風が吹く今こそチャンス!」という気概を持って、新しいことにチャレンジし、前向きに業務に取り組んでほしい。今年も「チャレンジ」「スピード」「インベスティゲーション」を全社員の合言葉として、「明るくて、元気で、前向きな」会社を目指したい。



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