TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

【興和テバ・井上社長】大正薬品工業の子会社化は、社会的責任を果たすための買収

2010年02月05日 (金)
井上社長

井上社長

 1月にジェネリック医薬品(GE薬)の国内販売をスタートさせた興和テバの井上信喜社長は、本紙のインタビューに応じ、国内中堅GE薬メーカーの大正薬品工業を買収した背景を語った。その中で、井上氏は「業界の将来を展望したゴールが、両社で一致した結果」とした上で、「GE薬に大きな注目が集まる中、GE薬メーカーは社会の期待と要望に応える責任がある。それを現状の企業規模、資金力で果たせるかどうか疑問だ」と問題提起。GE薬メーカーとして、社会的な責任を果たすための買収劇だったと強調した。現在、興和テバは大正薬品の発行済み株式の3分の2以上を取得しているが、今後の経営体制について「当面、完全統合はない」と、完全子会社化を否定した。

 興和テバは、2015年までに売上高1000億円の目標達成に向け、[1]自社開発[2]他社製品の導入、共同開発・販売[3]合併・買収‐‐の選択肢を、戦略的に使い分ける方針を打ち出してきた。大正薬品の買収は、三つ目の選択肢を行使したことになるが、井上氏は、「大正薬品の経営判断として、現時点ではなく、将来的なGE薬業界を展望したときに、興和テバとの提携が有効と決断を下されたのだと思う」と話す。

 その上で、政府がGE薬の使用促進に乗り出す中、GE薬メーカーの社会的な責任が大きくなっていると指摘。「われわれは、GE薬に対する社会の期待と要望に応える責任がある。そのためには、厚生労働省のアクションプログラムなど、様々な課題をクリアしていかなければならないが、現状の企業規模で対応できるかと言えば疑問だ」と述べ、社会的責任を果たすためにも、何らかの業界再編が必至になるとの見方を示した。今回の買収劇は、その一環というわけだ。

 実際、今後はGE抗癌剤やバイオ後続品の位置づけが大きくなると見られているが、井上氏は「多くのGE薬メーカーにとって、現状の企業規模、資金力でバイオ後続品の開発ができるかと言えば、答えはノーだと思う。その意味で、業界が過渡期にある今、早い段階で大正薬品が提携に踏み切ったのは英断だった」と述べた。

営業部隊は一体化へ

 また、さらなる買収の可能性ついては、「今回も、将来の目指すゴールが両社で合致していた結果で、単なる売上高の数字合わせで行う気はない」との方針を強調。あくまでも企業哲学・文化を含めたビジョンの一致が前提とした。

 今後、大正薬品は、興和テバの子会社として事業を進めるが、井上氏は「今のところ、構想として、完全に一体化するつもりはない」と完全子会社化を否定。ただ、興和テバ90人、大正薬品60人のMRを擁する営業体制ついては、「シナジー効果を出すために、なるべく早い機会に、150人体制となる一つの営業部隊を目指したい」と、営業機能を統合していく考えを明らかにした。当面は、大正薬品とのシナジー最大化に向け、最適な事業体制の検討を進めていく方針だ。



‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術