グラクソ・スミスクラインは4日、入れ歯安定剤「ポリグリップ」シリーズのうち、「新ポリグリップEX」(40g、70g)の販売を中止し、店頭から自主回収することを発表した。
同品には粘着性を高める目的で、亜鉛が含有されている。人体に必要な栄養素ではあるが、長年にわたって過剰に亜鉛を含有した入れ歯安定剤を使用することで、亜鉛の過剰摂取による貧血や神経症状を起こすことが、最近の文献で報告されている。
定められた使用方法(1日1回3cmまで)に基づき使用する限りは、安全性に問題がないものの、中には長期間にわたって過剰に使用するケースもあることを踏まえ、「健康被害への潜在的なリスクを最小化することを最優先し、予防的な措置として販売の中止を決めた」(同社)としている。
なお、入れ歯安定剤で亜鉛を使用していない「新ポリグリップ無添加」「新ポリグリップS」「ポリグリップパウダー無添加」「ポリデント入れ歯安定剤」については、従来通り継続して販売する。今後、これら製品群には亜鉛を含んでいないことを、パッケージに表記していくという。