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A型肝炎が3月以降急増‐魚介類など経口感染が原因

2010年4月19日 (月)

 A型肝炎の報告数が、今年の第10週(3月8~14日)以降急増しており、13週(3月29~4月4日)に入っても、この傾向が続いている。2007年以降の各月比較では最多となっている。厚生労働省、国立感染症研究所が公表した「感染症発生動向調査」(13週)ではその現状を紹介し、[1]汚染された水・食材を口にしない[2]患者と接する際には手指衛生に心がける[3]魚介類は加熱等の調理を行う‐‐などの予防策が必要と、注意を呼びかけている。

 A型肝炎は、A型肝炎ウイルス(HAV)による疾患で、2~7週間の潜伏期間の後、一過性の急性肝炎を来す。特異的治療はなく、治療法は安静や対症療法が中心だが、多くは1~2カ月の経過で回復し慢性化しない。治癒後には強い免疫が残される。小児では不顕性感染が80~95%、成人では顕性感染が75~90%と多い。通常、年齢が上がるにつれ、重症度も高くなる。

 HAVは、糞便中に排泄され糞口感染によって伝播する。日本では、糞便で汚染された水や食事による大規模な集団発生は稀で、感染経路としては、魚介類の生食などによる経口感染や、性的接触などが報告されている。03年11月の改正感染症法によって、単独疾患として4類感染症となり、現在はキャリアを含む全診断症例の届け出が義務づけられている。

 A型肝炎の07年以降の報告数は、年間150例前後(07年157例、08年169例、09年115例)だった。しかし、今年は第10週以降報告数が急増し、第13週までに既に91例報告されている。

 91例の年齢中央値は47歳(11~88歳)、性別では男性44例(48%)、女性47例(52%)で、87例(96%)が国内感染と推定または確定されている。劇症肝炎は40代女性と50代女性の2例だった。

 特に報告数の著しい増加が認められた、第10~13週の61例を見ると、年齢中央値は50歳(20~88歳)で、性別では男性30例、女性31例で性差はない。経口感染と推定された58例(95%)のうち、25例(58例の43%)にカキ喫食の記載が認められた。報告地域として多かったのは、福岡県12例、広島県11例、東京都9例。

 予防としてのA型肝炎ワクチンは、日本では95年から16歳以上を対象に任意予防接種となっているが、主に途上国への渡航者ワクチンとして使用され、一般には普及していない。日本の血清疫学調査では、55歳未満の年齢層はほとんど抗体を保有していないと考えられ、重症化リスクが高い年齢層に抗体を保有していない人が増加しつつある。

 週報では、こうした患者増を背景に、重症患者の増加や家族内発生、広域集団発生の可能性も懸念されるとし、迅速な感染源特定の必要性を強調。保健所、地方衛生研究所などに対し、医療機関と連携し、個々の事例の原因究明にあたると共に、食材・食品の広域流通という観点も併せ、事例調査と対策における自治体間の連携が、対策上重要としている。




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