【女性の声を反映した新製品、新たな潜在需要獲得目指す】
イチジク製薬は2月2日から、女性の購買者層を拡大するため、従来の浣腸薬のパッケージを大幅にリニューアルした新製品を投入する(商品名は「イチジク浣腸30g1個入り」)。同社調査では、特に便秘に悩む10020代の若い女性は内服薬(便秘薬)の利用率が高い一方で、浣腸薬に対しては買いにくさや抵抗感が見られたことから、女性の抵抗感を和らげる商品パッケージとしたのが特徴。「イチジク浣腸の一番の特徴である即効性と共に、かわいいイラストで使いやすさをアピールするなど新たな切り口、斬新なパッケージで潜在需要の獲得を目指す。また浣腸薬業界の活性化にもつなげたい」(今川拓一社長)としている。
同社は今年で81年目を迎える浣腸業界のトップシェアメーカーで、「イチジク浣腸」のブランドは浣腸製品の代名詞ともなっている。便秘は女性に多く見られる症状で、肌トラブルとも密接な関係にあることから便秘関連製品のニーズは高く、便秘薬(浣腸薬を含む)市場は安定した推移を見せている。しかしメーカー出荷ベースで約180億円とされる便秘薬市場の中で、内服の便秘薬については有力各社が新製品を投入してラインナップ強化を図っているのに対し、イチジク製薬を含めた浣腸薬は新製品の少なさもあって伸び悩んでいた。
同社では女性に対する各種調査を行った結果、「便秘解消のための商品として浣腸に対する意識が低いこと、便秘に悩む10代、20代の女性は他の年代層に比べて浣腸の購入率が特に低いことが分かった。こうした若い層に受け入れられるためには商品理解によりイメージのギャップを埋めることが必要」(阿部光正取締役営業部長)ということで、親しみと身近さが感じられる新商品の投入となった。入数も通常は2個入りのところを、トライアル的な意味も含め、あえて1個入りとした。
商品パッケージでは、かわいい九官鳥のキャラクターを採用した「手にとりやすさ」、出したい時に出せるという即効性のメリットを明記した「分かりやすさ」、そしてイラストで使用法を分かりやすく明記した「使いやすさ」をアピールした。容器も従来品よりソフトになり、初めて使用する人も薬液が注入しやすい。また薄いピンクのクリアな容器で、中身が見えやすくなった。
税抜き希望小売価格は1個入り200円。初年度販売目標は1億円としている。