ITサービス企業のアグレックスは7日、CROのクロノバを完全子会社化した上で、新会社「ACメディカル」を設立し、両社のCRO事業を統合すると発表した。事実上、アグレックスがクロノバを吸収するもの。新会社にCRO事業を集約することで、5年以内をメドに売上高100億円規模への拡大を目指す。
同社は、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)事業のノウハウをもとに、2002年にCRO事業に参入。ITの強みを生かし、データマネジメントと統計解析業務を中心に展開してきたが、08年にクロノバをグループ化し、モニタリング業務を補強することで事業拡大を目指してきた。
ただ、両社の売上規模は26億円程度にとどまっている。中堅CROを取り巻く環境が厳しさを増す中、さらなる事業拡大のためには、両社のCRO事業を統合し、再編することが不可欠と判断した。アグレックスは、新会社のACメディカルを設立することで、CRO事業を拡大させる方針で、5年以内をメドに売上高100億円規模を目指す。事業統合は、10年上半期には完了させる予定。ACメディカルは、社員数約400人、売上高26億円の中堅CROとして再出発する。
中堅CROをめぐっては、昨年8月に中堅のACRONETとベルシステム24が業務提携したのに続き、メディサイエンスプラニングが生活習慣病に強いシーポックを子会社化。今年に入って、2月にクリオサイエンスがインクリース研究所と戦略的提携を行い、3月にはIT系のシーエーシーがモスインスティテュートの事業を譲受するなど、再編の動きが活発化している。今回、さらにIT系のアグレックスがクロノバと統合し、新会社を設立することで、CROの再編は一層加速することになりそうだ。