薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会は、一般薬のリスク区分の検証に必要な情報整理を行う作業ワーキンググループ(WG)を安全対策調査会の下に設置することを決定した。WGは、医療機関や製造販売業者から上がってくる副作用報告のほか、購入方法、店舗での説明や適正使用に関する情報も収集・分析する。調査会の了承を経て正式に立ち上げる。
一般薬のリスク区分を変更する際には、安全対策調査会で事前整理を実施した上で、安全対策部会で審議することになっている。昨年度には、医療用からスイッチした、抗ヒスタミン成分のフマル酸ケトチフェン点鼻剤を、薬剤師のみ販売できる第1類薬から、登録販売者でも販売可能な第2類薬に引き下げた経緯がある。
しかし、リスク区分方式を導入した昨年6月の新販売制度施行から、一定期間が経過したため、厚生労働省は、各区分に振り分けられている一般薬の安全性を検証する必要があると判断。この日の部会に提案し、了承された。
今後、行政刷新会議における一般薬の販売方法をめぐる議論も踏まえ、副作用報告の状況や報告内容を精査する。また、薬剤師の助言などによって、副作用を未然に防止していることも考えられるため、副作用報告以外の情報も評価の対象とする。
医薬品医療機器総合機構安全第1部が7月末、副作用の疑いのある一般薬の販売方法に関する情報が入手できた場合には、副作用報告と併せて連絡するよう、製造販売業者に要請しており、こうした情報も活用する予定だ。
ただ、リクス区分の変更手順は現行通り変わらず、WGでは調査会や部会における議論の材料となる情報の整理を行うことになる。