日本医薬品登録販売者協会の県支部として、全国で5番目となる「千葉県登録販売者協会」が設立した。20日に船橋市の船橋グランドホテルで設立総会が開かれ、吉田雅司氏(マツモトキヨシホールディングス社長兼COO)が初代会長に就任した。設立総会には、千葉県、千葉市、船橋市、柏市からそれぞれ担当官が来賓として出席。協会が研修等の取り組みを通じて、地域社会に貢献することなどに期待を示した。
設立総会で吉田会長は、「登録販売者協会の設立目的に沿って、登録販売者の質向上に向け、行政ときちんと連携を取りながら、協力体制を作り上げていきたい」と抱負を語った。千葉県には今年3月末時点で、約3100人の登録販売者が登録している。吉田氏は、登録販売者を組織化し、「知識の向上や技術がきちんと評価される体制作りが必要だ」と訴えた。
また、「医療費抑制という大命題のもとに、資格者である薬剤師と連携を取りながら、地域のかかりつけの“薬屋”としてどうあるべきかという姿を、今後はきちんと描いて進めていく必要があると思う」とした。
千葉県登録販売者協会の役員には、吉田会長のほか、副会長に小川久哉氏(くすりの福太郎社長)、監事に神崎彰道氏(千葉薬品社長)がそれぞれ就任した。
設立時の会員(法人会員)は13社。目的には、「千葉県内で勤務する登録販売者の資質向上と地位の向上を図り、登録販売者の総合的支援を通じ社会に貢献すること」を掲げ、その実現のために、「登録販売者の資質向上と資質標準化を図るための同一の継続研修の開催」を、中心的な事業として進めていく。そのほか、▽千葉県等行政との連携と協力体制の構築▽登録販売者の活用と地位向上のための意見具申▽医薬品販売等の改善点等の意見具申▽日登協および関係団体主催各事業への参加‐‐などの活動を行っていく考えだ。
設立総会には、千葉県健康福祉部薬務課の本多信行課長らが来賓として出席し、祝辞を述べた。
本多課長は、「一般用医薬品の販売に従事する登録販売者は、従事経験と試験によって専門家としての資質が認められているが、社会構造の変化や科学の進歩によって、医薬品を取り巻く環境は日々変化している。そのため、登録販売者が医薬品等の適正な情報提供を果たしていくためには、医薬品に関する知識の継続的な習得が重要となっている」と指摘。「登録販売者の研修の実施等を目的として、千葉県登録販売者協会が設立され、登録販売者等の資質向上が図られることは、新たな販売制度の定着と認知につながると共に、県民からの信頼獲得にも大きく貢献するものと期待している。登録販売者による、県民に対する医薬品等の情報提供が適切に行われるよう、活発な資質向上のための研修等の実施を通じて、地域社会の医療に貢献していただきたい」と期待を寄せた。