厚生労働省の専門家委員会は、10月から接種を開始したインフルエンザワクチンの安全性について、11月末までの状況に「重大な懸念は認められない」との評価をまとめた。
今シーズンのインフルワクチンは、季節性のA香港型(A/H3N2)とB型、新型(A/H1N1)の3価ワクチン。4500万回分が医療機関に納入され、接種との因果関係にかかわらず、医療機関が報告した副反応は434人で、頻度は10万回に1回だった。
昨シーズンの1万回に1回を大きく下回るが、通常、12月から1月にかけて接種が本格化するため、今回は信頼性の高い分析が難しく、納入したワクチンを全て消費したと仮定した、「推定接種可能人数」を母数とした粗い推計。
入院相当以上の重篤例は、医療機関から64人、製造販売業者から33人の報告があった(重複の可能性あり)
死亡例は12例で、ワクチン接種との明確な因果関係は確認されなかった。
このほかの副反応では、因果関係の可能性が否定できないギラン・バレー症候群が1例あったものの、例年に比べて頻度の顕著な増加は見られなかった。アナフィラキシーは11例で、因果関係の可能性があると判断したが、頻度が低く、ワクチンに安全性上の問題はないと結論づけた。