2位に参院選、3位に新成長戦略
エレクトロニックライブラリー(EL)は、「2010年キーワードランキング」を発表、トップ10入りした言葉をもとに、1年間を振り返った。トレンド指数ランキングのトップは、宮崎県を大きな混乱に陥れた「口蹄疫」、2位には7月に行われた「参院選」、3位には政府の掲げた「新成長戦略」が選ばれた。
ELは、薬事日報を含む新聞96紙および雑誌約150誌から、年間80万件以上の記事を採録する記事データベース「ELNET」を運用している。このDBに登録されているキーワード約220万語について、ヒット数の増減を毎月「トレンド指数」として数値化しており、1月から11月まででトレンド指数の合計が高かった上位10項目を、今年のキーワードランキングとしたもの。
4位以下のランキングは、4位が衝突事件、5位がエコカー補助金、6位が猛暑、7位がみんなの党、8位がiPad、9位が代表選挙、10位が普天間問題となっている。
第1位となった口蹄疫は3月に宮崎県で発生し、終息まで約4カ月を要した。この間、家畜約29万頭が殺処分され、被った経済損失は2350億円に上った。回復までに5年はかかるという大惨事で、政治や行政の対応の拙さを指摘する声も強かった。
参議院選挙では、与党民主党が惨敗し、みんなの党が躍進、自民党も失地を回復した。薬剤師界の代表として、自民党から立候補した藤井基之氏も、見事に前回落選のリベンジを果たした。この背景には、普天間飛行場の移設問題に対する対応の悪さや、政治と金の問題がつきまとっていた。
新成長戦略に対しては、景気低迷感が拭えない中、多くの業界から期待感が寄せられ、特にエコカー補助金で自動車業界が活気づいた。また、3カ月近く続いた今年の猛暑によって、ドリンク剤も売上を伸ばした。
一方、今年の注目キーワードとして、昨年末に予測された10項目と対比して見ると、完全に重複していたのは参院選だけだが、EV(電気自動車)はエコカー補助金、電子書籍はiPadに置き換わったと見ることもできる。しかし、子ども手当、上海万国博覧会、東京スカイツリー、ワールドカップ等は、ランクインしなかった。