日本製薬工業協会は16日、都内で総会を開き、東日本大震災への対応について、被災者に必要な医薬品を安定供給するため、政府や医薬品卸、関係団体と協力し、全体の支援活動に呼応していく方針を決定した。現時点で行政当局、日本医薬品卸業連合会から具体的な要請はないという。
総会後の記者会見で、伍藤忠春理事長は「既に個別の要請が寄せられているが、被災地での方針が固まらないと医薬品を届けることができない」とした上で、「まず必要なところに医薬品を迅速に届ける体制を準備するのがわれわれの役割。通常の安定供給支援をおろそかにしないようお願いしている」と現時点での対応を報告した。
製薬協は14日に「災害対策本部」を設置し、長谷川閑史会長名で、医薬品の安定供給に最大限の努力を行うとの声明を発表。これを受け、総会でも東日本大震災への対応を協議した。現状では、被災地で物資を運搬するトラックなどの車両不足、深刻なガソリン不足が各社共通の問題となっているという。
伍藤氏は「現地で医薬品をどう届けるか、災害時のニーズに対応するためにも政府全体の支援方針を示してほしいと要請している。われわれは迅速に対応できるよう体制準備を検討している」と説明した。